中国復帰13周年、祝賀ムード一色
- 2012/12/21 12:35
- 社会・政治
20日、マカオ特別行政区が成立13周年を迎え、市内各所で官民による華やかな祝賀イベントが多数開催された。
1999年12月20日にポルトガルから中国へ施政権返還が行われ、一国二制度の下、マカオ特別行政区が成立。今年で13周年を迎える。マカオでは「返還記念日」ではなく、「マカオ特別行政区成立記念日」や「祖国復帰記念日」という呼び方が一般的。
20日午前8時半、新口岸にある金蓮花広場で国旗・区旗掲揚セレモニーが厳かに行われ、マカオ特別行政区崔世安行政長官、中聯辦李剛副主任、中国外交部駐マカオ特派員公署胡正躍特派員、中国人民解放軍駐マカオ部隊祝慶生司令員、マカオ立法會劉焯華主席、マカオ終審法院岑浩輝院長らが出席。多くの市民、観光客が見守った。
続いて9時半からマカオタワーで開催されたレセプションには政財界合わせ約1千人が出席。挨拶に立った崔世安行政長官は公営住宅の充実、社会保障制度、医療システム、教育制度の改善など、低所得者及び中産階級向け重点政策を継続して推進することを強調。持続的かつ安定した社会の発展を目指す姿勢をあらためて示した。
14時からは体育発展局主催による陳奕迅のコンサートが開催されたほか、16時から18時にかけて、文化局の主催による「パレード・スルー・マカオ,ラテンシティ」が行われ、聖ポール天主堂前から塔石広場にかけ、様々な衣装に身を包んだパフォーマーたちが街を練り歩き、沿道に集まった市民、観光客を大いに楽しませた。さらに夜は旅遊局による15分間の花火大会も開催されるなど、この日は終日がお祭りムードとなった。
マカオ特別行政区が成立して13年、マカオ経済は目覚ましい発展を遂げている。経済発展の一方で、物価上昇、特に住宅価格の高騰による低所得者、中産階級からの不満はある。20日、街が祝賀ムード一色となる中、市民約1千人が政府への不満を掲げてデモ行進を行った。デモは平和的に行われ、混乱はなかったという。政府は潤沢なカジノ税を活用し、市民の不満を解消すべく公営住宅の相次ぐ建設や社会保障の充実を進めている。概ね市民の間ではこの13年間の経済発展による恩恵について前向きに捉えられているようだ。