違法タクシー問題対応急務

昨今、マカオでは禁止場所での乗降、乗車拒否、メーターを使用せず高額を要求するといった行為を行う違法営業タクシーの出現が社会問題化している。慢性的なタクシー台数の供給不足に加え、違法営業に対する罰則が甘いことなどが指摘されている。

今月19日、ホリデーシーズンを前にマカオ政府交通事務局は違法営業タクシーの取り締まりを強化すると発表。地元有力紙「澳門日報」が23日付紙面で報じたところによると、交通事務局によって2012年1~11月に検査官が発見した違法事案は440件に上るという。また、乗客による通報は1,520件あった。違法営業行為が多く見受けられる場所として、ボーダーゲート前の關閘広場、マカオフェリーターミナル(港澳碼頭)、マカオ国際空港、大型カジノホテル前が挙げられるという。

なお、現時点でタクシードライバー資格の停止や抹消処分を受けた者はいない。今年処罰の対象となったドライバーのうち75名は過去にも処罰歴があったという。当局では取り締まり強化に乗り出す構えだが、地元メディアはタクシー営業規則の改正による点数制の導入や、いわゆる「おとり捜査」なども含めた抜本的改善策が必要との強い論調だ。

慢性的な供給台数不足のタクシーについて、政府は今年4月に新たに200台分の8年間有効ライセンスを増発している。しかし、現段階で実際に営業開始しているのは49台にとどまるという。主な原因はタクシー用車輌のマカオへの輸入が遅れているためで、来年3月までにはすべて営業開始できる予定。当局では今後状況を見ながらさらなるライセンスの増発に踏み切る考えもあるそうだ。

一部エリアではタクシー乗降場所が指定されている(資料)―本紙撮影

一部エリアではタクシー乗降場所が指定されている(資料)―本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun