X’mas休暇期のホテル客室稼働率明暗
- 2012/12/25 9:49
- 産業・経済
クリスマスシーズンを迎えたマカオだが、マカオを訪れる旅客の大半を占める中国本土ではクリスマス休暇がないたいため、老舗3つ星、4つ星ホテルの客室予約率は3~4割程度にとどまり、24日のクリスマスイヴについても6割前後で価格も平日並みという。しかし、一部豪華カジノリゾートホテルでは主に東南アジアや香港からの顧客で客室稼働率が9割以上に達し、勢いは月末まで続く。ホテルランクにより明暗が分かれたようだ。
25日付地元有力紙「澳門日報」がホテル業界関係者の話として伝えた。ホテル業商会の陳志杰会長によると、中国本土にはクリスマス休暇がなく、マカオにおけるクリスマス時期最大のターゲットは香港からの旅客。香港のクリスマス休暇は短く、業界では大きな期待をせず予約率も3~4割程度と見込んでいた。また、コタイ地区に新しいホテルが増えており、常にフェリーチケットとのパッケージを売り出すなどのプロモーションで香港旅客から好評を得ているため、マカオ半島の3、4つ星ホテルは価格を上げずに競争力を維持したいと考えているとのこと。
同氏によると、クリスマス時期の3、4つ星ホテルの稼働率は約6割で、一部4つ星ホテルの一般的なホリデー宿泊価格は1,800パタカだが、24日のイブ、25日のクリスマスは価格を上げず、1,100パタカ程度を維持する。多くの旅客が週末から大晦日にかけてマカオへの旅行を計画しているため、クリスマスホリデーの稼働率が高くなかったのではないかとした。
あるカジノリゾートホテルによると、中国本土にクリスマス休暇がないため香港と東南アジアをメインに考えているが、21日の冬至から週末にかけて数多くの本土からの旅客が訪れており、すでにクリスマス前の22日土曜日夜から客室稼働率9割をキープしているという。最近の客室稼働率は高水準を維持しており、この勢いが年末まで続くと見通しで人の流れと消費力も昨年並みとなりそうとのこと。今年は客室稼働率、カジノ利用客ともに優勢を保っており、新ホテルが次々誕生しても顧客の希薄化はなかったとの考えを示した。
先月(11月)のホテル客室稼働率は8割を維持し、ホテル宿泊を伴う旅客も前年同月比で11%増、価格も5%増となったことから、業界ではクリスマスの結果に関わらず、総じて今年は「豊作の年」だったのではないかとの認識だ。
ホテル業界では客室稼働率を重視する姿勢を示しており、今後も需要状況に応じて価格調整などを行うことで競争力を維持したい考えという。