香港の繁華街でデモ隊と警官隊が衝突=在香港日本国総領事館が在留邦人に注意喚起

春節(旧正月)元旦にあたる2月8日夜から9日未明にかけて、香港・九龍半島の繁華街として知られる旺角(モンコック)地区で警官隊とデモ隊が衝突し、双方に多くの負傷者が出た。

在香港日本国総領事館は2月9日午前、現地在留邦人に対して緊急一斉メールを送信し、注意喚起を行った。呼びかけ内容は下記の通り。

■情勢に留意の上,報道等から最新情報を入手し,自身の安全確保に努めること。

■不測の事態に巻き込まれないよう,デモや集会の会場等には絶対に近づかないよう注意するとともに,移動にあたっては細心の注意を払って行動すること。

■デモ隊や群衆に遭遇した場合には,直ちにその場から離れ,安全な場所へ退避するよう努めること。

香港政府の発表及びマカオの政府系放送局TDMのラジオニュースの報道などによれば、事件は2月8日午後10時頃、香港当局が違法営業を行う露天商に対する取り締まりを実施した際、本土派(※この場合の本土は中国本土ではなく香港を指す)と呼ばれる急進勢力が露天商側に加勢したことがきっかけで発生したものという。デモ隊は100人規模に達したといい、混乱に乗じて放火や警察車両の破壊、警官や取材クルーへの襲撃を行い、警官隊は催涙ガスや上空に向けて威嚇発砲を行うなどして対応。デモは9日未明までに鎮圧され、デモに参加したとみられる17〜70歳の男女24人が逮捕された。また、80人を超える警察官と4人の地元放送局の記者が負傷したとのこと。

香港特別行政区の梁振英行政長官は9日午前の記者会見で、今回の事件を「暴動」と表現。催涙ガスの使用と威嚇発砲については鎮圧手段として適切だったとの見解を示し、徹底した責任追及と再発防止に努めると述べた。

なお、香港地下鉄MTRでは、2月8日深夜から9日午前9時45分にかけて旺角駅を閉鎖し、全列車を通過させる措置を講じた。

負傷した警察官を慰問に訪れた香港特別行政区の梁振英行政長官=2月9日、香港・明愛医院(写真:news.gov.hk)

負傷した警察官を慰問に訪れた香港特別行政区の梁振英行政長官=2月9日、香港・明愛医院(写真:news.gov.hk)

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