中国本土旅客の「爆買い」鳴り潜める…マカオの旅客消費総額17.2%減=15年
- 2016/2/21 16:54
- 産業・経済
マカオは人口64万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。
昨年(2015年)の訪マカオ外客数は前年から2.5%減となる延べ3071万4628人で、2年連続3000万人の大台を突破。このうち66%を中国本土旅客が占めた。
中国本土旅客といえば、日本での「爆買い」が大きな話題となっている。かつてはマカオでも同様の光景が繰り広げられていたが、昨今ではすっかり鳴りを潜めているようだ。
マカオ政府統計調査局は2月19日、昨年の旅客消費調査(ギャンブル消費を除く)を結果を公表。総消費額は前年から17.2%減の511.3億パタカ(日本円換算:約7189億円)で、2010年の調査開始以来初めてのマイナスとなった。
旅客1人あたり平均消費額は15.0%減の1660パタカ(約2万3341円)。トップは前年に続き中国本土旅客だったが、金額は16.5%減の1965パタカ(約2万7630円)にとどまった。中国本土から個人旅客に限ると16.5%減の2292パタカ(約3万2228円)。
消費の内訳については、ショッピングが45.8%、宿泊が25.4%。旅客1人あたりの平均ショッピング消費額は20.0%減の762パタカ(約1万714円)で、銘菓などの食品系土産が全体の29.4%を占めた。中国本土旅客の1人あたり平均ショッピング消費額は20.1%減の1051パタカ(約1万4778円)、個人旅客に限ると17.1%減の1442パタカ(約2万276円)。
なお、マカオの月次カジノ売上が今年1月まで20ヶ月連続で前年割れとなるなど、経済の柱となるカジノ業界の低迷も長期化している。
日本における盛り上がりとは裏腹に、マカオでは中国本土旅客の財布の紐が堅くなっているようだ。