マカオの2月ホテル客室稼働率78.6%=供給増で1.8ポイント下落も宿泊客数は大幅増
- 2016/4/1 12:04
- 産業・経済
マカオは人口64万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。
昨年(2015年)通期の訪マカオ外客数は延べ3071万4628人となり、前年から2.5%減だったものの3000万人の大台を2年連続突破した。今年2月の訪マカオ旅客数は前年の同じ月から1.2%減の延べ244.5万人だったが、宿泊を伴う旅客については7.9%増の118.9万人となった。
マカオ政府統計調査局が3月31日に公表した最新統計によれば、今年2月の平均ホテル客室稼働率は前年同月から1.8ポイント下落、前月から2.1ポイント上昇となる78.6%だった。旅客数が前年並み、宿泊を伴う旅客が増えた中での客室稼働率下落の要因として、昨今の相次ぐ新ホテル開業により供給客室数が2ケタ増となったことが挙げられる。
ホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から3.2ポイント下落の80.5%、4つ星が5.1ポイント上昇の79.7%、3つ星が3.2ポイント下落の72.8%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が11.1%、4つ星ホテルが28.4%のそれぞれ増、3つ星ホテルは供給客室数に変動なしだった点も考慮する必要がある。
今年2月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から8軒増の106軒、客室数は同13.9%増の3.21万室あり、このうち5つ星ホテルが5軒増の32軒で、客室数は全体の63.6%を占める2.04万室。
今年2月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比15.9%増の延べ87.2万人。内訳は中国本土旅客が9.1%増の56.2万人、香港旅客が49.0%増の13.0万人、台湾旅客が20.1%増の3.6万人、韓国旅客が13.6%増の2.3万人だった。日本旅客は42.8%の大幅増の1.2万人で、うち65.9%が5つ星ホテル、27.4%が4つ星ホテルへの宿泊だった。ホテル宿泊客の平均滞在滞在時間は前年同月と変わらずの1.4泊。
今年1〜2月のホテル宿泊客数は前年同期比13.8%増の176.7万人、平均ホテル客室稼働率は2.5ポイント下落の77.5%、ホテル宿泊客の平均滞在滞在時間は0.1日マイナスの1.4泊。
客室供給数が増える中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったものとみられる。
マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室規模に達する見込み。