マカオ初訪問旅客の動向…8割がカジノ見学、4割が賭博参加=マカオ大学調査

かつてのマカオはカジノのイメージが強く、賭博をするために訪れるデスティネーションとして認識されてきた。しかし、近年ではギャンブル一辺倒から複合レジャー・エンターテイメント都市へと急速に変化を遂げつつある。

2002年のカジノ経営ライセンスの対外開放以降、マカオではラスベガススタイルの大型IR(統合型リゾート)のオープンラッシュが現在まで続いているほか、2005年にマカオ歴史市街地区がユネスコ世界文化遺産に登録されたことなどを契機にノンゲーミング(非カジノ)要素の拡充が急速に進み、海外(中国本土、香港、台湾を含む)から年間3000万人以上の旅客が訪れるアジアきっての人気観光都市となった。

今月(5月)11日、マカオ政府がマカオ大学にコマーシャルゲーミング研究所に委託した「ゲーミング(カジノ)産業中間レビュー報告書」が公表された。様々な調査データが資料として添付されており、興味深いものもあった。

そのうちのひとつ、同研究所による「2014年版訪マカオ旅客調査」で、初めてマカオを訪れたという旅客の動向を見ることができる。調査結果によれば、マカオ初訪問旅客のうち、8割が観光名所を訪れ、約4分の1がエンターテイメントショーを鑑賞、8割がカジノを見学し、約38%が実際に賭博に興じたとのこと。なお、総数に占めるカジノ見学率、賭博参加率はリピーターと比較して高かったという。2014年の訪マカオ旅客数は約3152万人だったことから、調査結果から推計すると、カジノ見学者数は約2522万人、賭博参加者数は約1198万人にも上る。

マカオの面積は約30平方キロ。山手線の内側の半分に過ぎない小さな街に、36軒のカジノ施設が建ち並んでいる。24時間営業で入場無料、明るくゴージャスな雰囲気、ドレスコードにも寛容とあって、敷居が低いのが特徴だ。世界遺産巡り、グルメ探訪、エンターテイメントショーの鑑賞を主目的にマカオを訪れたとしても、せっかくマカオに来たならやはりカジノも見ておきたい…というのが本音のところだろう。一旦カジノの中に入ってしまえば、今度は運試しをしてみたくなるものだ。

マカオでは現在も大型IRの建設プロジェクトが同時並行で進められているほか、大型フェリーターミナルや香港との間を結ぶ海上橋のオープンといった交通インフラの整備も着々と進んでおり、訪マカオ旅客数の一層の増加が予想されている。

マカオの大型IR施設内にあるカジノ入口(資料)—本紙撮影

マカオの大型IR施設内にあるカジノ入口(資料)—本紙撮影

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