今月(5月)17日から19日までの3日間、マカオの大型IR(統合型リゾート)ヴェネチアンマカオでアジア最大規模のカジノ見本市「G2E(グローバル・ゲーミング・エキスポ)アジア2016」が開催された。
G2Eアジアはアメリカゲーミング協会と国際展示会大手リード・エグジビションズの共催で2007年にスタート。以後、年に一度この時期に開催され、今回で節目の10周年を迎えた。全世界からスロットマシン及びカジノ周辺機器メーカー、サービスプロバイダーなどが出展し、アジアを中心としたカジノ運営会社の関係者らが視察に訪れることから、ビジネスネットワーキングハブ機能を果たしてしているのが特徴となる。
主催者が開会式及び5月24日に発出したプレスリリースで発表した内容によれば、今回の展示面積は前回から12%拡大の9200平米、出展者数は180、3日間合計のビジター数は前年を11%上回る1万984人に達し、初めて1万人の大台を突破したとのこと。ビジターの出身地は83の国と地域にも及んだ。
G2Eアジアでは日本勢が独特の存在感を示している。今回も会場では日系企業による出展(下記リスト参照)や視察に訪れる日本人ビジターの姿も目立った。また、世界のカジノ関係者の間では、アジアに残る数少ないポテンシャルマーケットとしての日本に対する関心が非常に高く、IR推進法の行方に大きな注目が集まっている。
【日本企業(五十音順)】
・共同印刷(印刷)※初出展
・セガサミークリエイション(カジノ機器)
・日本金銭機械「JCM GLOBAL」(紙幣計数機)
・MIKADO GAMES(オンラインカジノ向けゲーム開発)※初出展
【日系企業(海外法人を通じた出展)】
・アルゼゲーミングマカオ(カジノ機器)
・エンゼルプレイングカードマカオ(トランプ)
・コナミオーストラリア(カジノ機器)
・マツイアジア(カジノゲーム用品)
【自治体】
・長崎県・佐世保市IR推進協議会 ※初出展
すでにカジノ運営企業への納入実績のある常連組のスロットマシンメーカーやカジノ関連機器・グッズメーカーはいずれもシェア拡大を図るべく大型ブースを構えた。初出展組となる共同印刷は偽造防止技術及びメンバーシップカードマネジメントシステムといった印刷で培った技術やノウハウをベースにしたカジノIR運営会社へのソリューションの提案、ハウステンボスへのIR誘致を目指す長崎県・佐世保市IR推進協議会はカジノIR運営会社への候補地紹介及びネットワーキング、RNGスキルゲームで世界初のGLI認証を取得したMIKADO GAMESはオンラインカジノプラットフォーム提供企業へのアピールを行った。
常連組に聞くと、今回のG2Eアジアは例年以上に人の流れがあったとのコメントが大半を占め、初出展組の3ブースはいずれも事前に予想していた以上の満足感が得られたといい、来年以降の出展を前向きに検討したいとのこと。
目下、マカオのカジノ売上は今年4月まで23ヶ月連続で前年割れが続く低迷期にあるが、マカオのカジノ売上はG2Eアジアが初開催された2007年にラスベガスを抜き世界トップとなり、現在ではおよそ6倍規模の大差をつけるまでになった。マカオのカジノ売上はさらなる大型IRのオープンラッシュを間近に控え、復活への明るい兆しが見え始めたほか、昨今のアジアの新興カジノ国の勃興などを受け、マカオで開催されるG2Eアジアのポジション、ビジネスネットワーキングハブ機能に対する期待もますます高まっている状況だ。
次回のG2Eアジアは2017年5月16日から18日まで、今回と同じヴェネチアンマカオで開催予定となっている。