マカオ市民の喫煙率15%まで低下も外来喫煙者の姿目立つ
- 2016/6/1 9:02
- 社会・政治
マカオ政府衛生局はWHO(世界保健機構)が制定した世界禁煙デーにあたる5月31日、マカオ市民の喫煙状況調査結果を公表した。
調査結果によれば、2015年の15歳以上のマカオ市民の総体喫煙率は15.0%で、2008年の調査時から2.3ポイント下落している。また、喫煙者のうち約28%が禁煙に挑戦したことがあると回答したとのこと。
男女別では2015年の男性の喫煙率は26.8%で、2008年から3.9ポイント下落、女性は3.7%で、同0.6ポイント下落。年齢層別では45〜54歳が18.5%、35〜44歳が16.7%で、全体平均を上回った。
喫煙率低下の背景として、近年の健康意識の高まりに加え、屋内公共場所の大半を喫煙禁止場所とする新禁煙法の施行、たばこ税の相次ぐ値上げ、内外価格差を利用できないようにする免税たばこ持ち込み量の大幅縮小といった政府主導の施策などが挙げられる。
なお、今回の調査対象は15歳以上だが、マカオにおける喫煙の年齢制限は成人年齢にあたる18歳以上と規定されている。
実際、マカオの街中を見渡すと、数多くの喫煙者の姿を見かけるため「喫煙率15%はありえない」と感じる方もいるはずだ。マカオは人口64万人、面積30平方キロの小さな街だが、訪マカオ旅客は年間3000万人以上で、その大半を占めるのが喫煙率の高い中国本土からの旅客であるためだろう。また、マカオのカジノを訪れる男性ギャンブラーのうち、実に8割以上が喫煙者という調査データもある。マカオ市民の喫煙率は15%だが、旅客を含めた市内における喫煙者の数は依然として多いのが現状で、受動喫煙が社会問題のひとつとして認識されている。