マカオ市民の喫煙率15%まで低下も外来喫煙者の姿目立つ

マカオ政府衛生局はWHO(世界保健機構)が制定した世界禁煙デーにあたる5月31日、マカオ市民の喫煙状況調査結果を公表した。

調査結果によれば、2015年の15歳以上のマカオ市民の総体喫煙率は15.0%で、2008年の調査時から2.3ポイント下落している。また、喫煙者のうち約28%が禁煙に挑戦したことがあると回答したとのこと。

男女別では2015年の男性の喫煙率は26.8%で、2008年から3.9ポイント下落、女性は3.7%で、同0.6ポイント下落。年齢層別では45〜54歳が18.5%、35〜44歳が16.7%で、全体平均を上回った。

喫煙率低下の背景として、近年の健康意識の高まりに加え、屋内公共場所の大半を喫煙禁止場所とする新禁煙法の施行、たばこ税の相次ぐ値上げ、内外価格差を利用できないようにする免税たばこ持ち込み量の大幅縮小といった政府主導の施策などが挙げられる。

なお、今回の調査対象は15歳以上だが、マカオにおける喫煙の年齢制限は成人年齢にあたる18歳以上と規定されている。

実際、マカオの街中を見渡すと、数多くの喫煙者の姿を見かけるため「喫煙率15%はありえない」と感じる方もいるはずだ。マカオは人口64万人、面積30平方キロの小さな街だが、訪マカオ旅客は年間3000万人以上で、その大半を占めるのが喫煙率の高い中国本土からの旅客であるためだろう。また、マカオのカジノを訪れる男性ギャンブラーのうち、実に8割以上が喫煙者という調査データもある。マカオ市民の喫煙率は15%だが、旅客を含めた市内における喫煙者の数は依然として多いのが現状で、受動喫煙が社会問題のひとつとして認識されている。

マカオのカジノ施設のマスゲーミングフロア(平場)に設置されている喫煙ルーム(資料)=2015年5月—本紙撮影

マカオのカジノ施設のマスゲーミングフロア(平場)に設置されている喫煙ルーム(資料)=2015年5月—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  3.  マカオ政府統計調査局は11月20日、今年(2024年)1〜9月の小売業販売額調査結果を公表。 …
  4.  マカオ政府統計・センサス局は11月20日、今年第3四半期(2024年7〜9月)の金融業人材需給及…
  5.  マカオ政府公共建設局(DSOP)の発表によれば、コタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun