マカオ、新規ギャンブル依存支援要請件数は毎年約130〜150件

2002年のカジノ経営ライセンスの対外開放を機に世界一のカジノ都市へと急成長を遂げたマカオ。面積約30平方キロ、人口65万人の小さな街に、大小合わせて36ものカジノ施設が軒を連ねることから、日常生活の中でギャンブルと接触する機会も多いのが現状だ。

近年、マカオでもギャンブル依存への対策について社会的関心が高まっており、政府及びカジノや競馬、ドッグレースといったギャンブル運営企業が以前よりも積極的に取り組む姿勢が見受けられるようになった。その一環として、マカオ政府のカジノ監理部門にあたる博彩監察協調局(DICJ)が2012年11月にカジノからの隔離をギャンブラー本人あるいは家族などの第三者が申請できる制度を導入した。

マカオ政府でギャンブル依存の予防及び治療を担当する社会工作局防治問題賭博處の胡綺梅處長は6月2日、カジノ専門書籍の出版イベントに出席した際に地元メディアのインタビュー取材に応じ、上述の隔離制度の導入以降、750件を超える支援要請があったことを明かした。

支援を必要とした人の内訳については、9割がマカオ人で、残りは中国人(本土)と香港人で、全体の6割超が男性という。

毎年の新規ギャンブル依存支援要請件数はおよそ130から150件で、中には依存からの脱却に成功する例もあるとのこと。ただし、ギャンブル依存歴が長いほど治療に要する時間も長くなり、その間に再度ギャンブルと接触しないよう予防措置を講じる必要があるなど困難を伴うという。

なお、マカオでは近年のギャンブル依存の予防に関する啓蒙活動により、市民の間で問題意識が高まっている状況といい、今後もさらに情報の周知徹底を図っていきたいとのこと。

カジノ(イメージ)—本紙撮影

カジノ(イメージ)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府旅遊局(マカオ政府観光局/MGTO)は4月15日、同月17日から20日まで、日本の東京…
  2.  国際展示会大手のリード・エグジビションズ(RX)は4月16日、今年(2025年)5月7日から9日…
  3.  澳門海關(マカオ税関)は4月15日、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対する監察体制を維持す…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで4月14日から20日まで卓球シングルスの国際大会「…
  5.  マカオ政府地球物理気象局(SMG)は4月15日、同日タイパ島の大潭山観測所で最高気温33℃、湿度…

ピックアップ記事

  1.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年4月号
(vol.142)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun