マカオの財政黒字3分の2に縮小…カジノ税収のマイナス響く=1〜5月期
- 2016/6/16 13:49
- 産業・経済
マカオ特別行政区政府財政局は6月15日、今年(2016年)1〜5月期の財政収支を公表。昨今のカジノ売上の低迷長期化を受け、歳入の大半を占めるカジノ税収が前年同期と比較して2ケタの落ち込みとなり、財政黒字も3割以上目減りした。ただし、いずれも年度予算に対する進捗率は目標をクリアする水準で推移している。
1〜5月期の歳入は前年同期比14.3%減の399.45億パタカ(日本円換算:約5215億円)、年度(1〜12月)予算進捗率は43.4%。このうち、カジノ税収は14.1%減の330.34億パタカ(約4313億円)で、予算執行率は46.0%。歳入に占めるカジノ税の割合は実に82.7%に達している。
一方、歳出については11.6%増の235.90億パタカ(約3080億円)に膨らんでいるが、予算進捗率は26.6%にとどまっている。
財政収支は163.55億パタカ(約2135億円)のプラスを確保できているが、黒字幅は35.8%の大幅減となった。ただし、予算進捗率はすでに471.4%に達している。
カジノ税の算出根拠となるマカオのカジノ売上は昨年6月から今年5月まで24ヶ月連続で前年割れとなっている。今年1〜5月の累計では11.9%減の916.06億パタカ(約1兆1960億円)。
なお、今年3月末時点のマカオ特別行政区の財政準備資産高は4360.1億パタカ(約5兆6925億円)、外貨準備高は1525億パタカ(約1兆9910億円)で、財政準備資産との合計は5885.1億パタカ(約7兆6836億円)に上り、2016年度の歳出の6.6倍に相当する「貯金」を持っていることになる。