マカオのカジノ売上、下半期も低迷続く可能性=政府見通し
- 2016/7/3 11:16
- カジノ・IR
21世紀に入って以降、カジノ経営ライセンスの対外開放による市場活性化で世界一のカジノ売上を誇る都市へと急成長を遂げたマカオだが、年間カジノ売上は2013年まで右肩上がりの成長が続いた後、2014年、2015年と2年連続で下落。また、月次ベースでも2014年6月から今年(2016年)6月まで25か月連続で前年割れとなるなど、低迷が長期化の様相を呈している。
マカオ政府博彩監察協調局が7月1日に公表した最新データによれば、今年上半期(1〜6月)の累計カジノ売上は前年同期比11.4%減となる1077.87億パタカ(日本円換算:約1兆3829億円)、6月の月次は2010年9月以来で最低となる158.81億パタカ(約2038億円)だった。
これを受け、マカオ政府経済財政庁長官オフィスは同日夜にプレスリリースを発出し、国際及び地域経済状況を鑑み、今年下半期(7〜12月)についてもカジノ売上の前年割れが続く可能性があるとの見通しを明らかにした。ただし、今年下半期に2つの大型カジノIR(統合型リゾート)がオープン予定であることなどを理由に、前年比での下落幅は縮小すると予想されるとのこと。
このほか、今年上半期のカジノ売上全体に占めるマスゲーミング(平場)部門の割合が前年同期から10.0ポイント上昇の53.1%となり、VIP部門を上回ったこと、VIP部門の売上が前年同期比17.3%減だったのに対し、マスゲーミング部門は3.6%減にとどまったことを挙げ、政府が掲げるVIP依存体質からの脱却に一定の成果が見受けられたとした。
なお、マカオ政府の今年度財政予算案では、年間カジノ売上を2000億パタカ(約2兆5660億円)と設定しており、予算達成率は53.9%に達している。予算そのものは前年から引き下げられたが、財政黒字は確保できるものとなっている。
【資料】2016年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:186.74億パタカ=約2396億円(21.4%減)
・2月:195.21億パタカ=約2505億円(0.1%減)
・3月:179.81億パタカ=約2307億円(16.3%減)
・4月:173.41億パタカ=約2225億円(9.5%減)
・5月:183.89億パタカ=約2359億円(9.6%減)
・6月:158.81億パタカ=約2038億円(8.5%減)
>1〜6月累計:1077.87億パタカ=約1兆3829億円(11.4%減)