マカオの大型カジノ見本市MGSが名称変更、MGSエンターテイメントショーへ=11月15〜17日開催
- 2016/7/6 12:32
- カジノ・IR
多くのカジノIR(統合型リゾート)施設が立ち並び、世界一のカジノ売上を誇るマカオ。毎年アジアの地域におけるゲーミング(カジノ)業界の最新トレンドやキーパーソンが一堂に会する大型国際見本市が開催されることでも知られ、情報や人材ハブとしての存在感を示している。
マカオの主な大型国際ゲーミング見本市として、2007年にスタートし、毎年春に開催される「グローバルゲーミングエキスポ(G2E)アジア」と、2013年にスタートし、毎年秋に開催される「マカオゲーミングショー(MGS)」の2つが挙げられる。いずれも会場はコタイ地区の大型IRヴェネチアンマカオ併設のコンベンション内のコタイエキスポホールとなっている。
G2Eアジアはアメリカゲーミング協会(AGA)と国際展示会大手リード・エグジビションズの共催するもので、もともとラスベガスが発祥のアメリカ型、MGSは地元マカオのゲーミング機器製造業者の組合にあたる澳門娯楽設備廠商会(MGEMA)の主催のローカル型という特徴がある。
目下、マカオのカジノ売上は月次ベースで2年以上も前年割れが続く長い低迷期となっているが、今年5月に10周年の節目を迎えたG2Eアジア2016は、過去最高の来場者数となる1万人を突破(主催者発表)するなど、昨今のマカオのカジノ市場の停滞とは裏腹に、ハブ機能としての注目度は維持されている。
このほど、今回で4回目の開催となるMGSが今年から名称変更を行うことを明らかにした。新名称は「MGSエンターテイメントショー〜クリエイティビティ&イノベーション〜」になるという。その狙いはどこにあるのだろうか。
近年、中国中央政府がマカオに経済の多元化を求めている。つまり、カジノ一辺倒からの脱却を目指せということだ。マカオ政府は世界的ツーリズム・レジャーセンターに変貌するという目標を掲げ、ノンゲーミング要素の拡充に力を注ぐ方針を打ち出している。マカオでカジノ経営ライセンスを保有する6陣営も、これに呼応し、よりマスを意識した施設づくりを進めている。かつてマカオのカジノ売上の大半を占めたのはVIPカジノ部門だが、現在ではマスゲーミング部門とVIP部門の売上がほぼ拮抗するところまでに達しており、構造改革は予想を超えるスピードで進んでいる。
MGSエンターテイメントショーを主催するMGEMAは同見本市をマカオ経済の発展につながる見本市としたいと意気込む。名称変更を通じて従来のスロットマシンを中心としたゲーミング要素に加え、ノンゲーミング要素の出展者を広く取り込むことで規模の拡大を図り、その存在意義を内外にアピールしたいものと見受けられる。
新生MGSエンターテイメントショーの開催期間は今年(2016年)11月15日から17日までの3日間、会場はこれまで同様のコタイエキスポホールを予定しているとのこと。
なお、同エキジビションには例年日本企業及び海外に拠点を置く日系企業が出展しており、日本から視察に訪れるビジターも多く、今年も大きな注目を集めそうだ。