マカオ政府財政局は7月22日付で今年上半期(2016年1〜6月)の財政収支を公表。昨今のカジノ売上の低迷長期化を受け、歳入の大半を占めるゲーミング税収(カジノ及びその他ギャンブル運営企業からの直接税)が前年同期と比較して1割超の落ち込みとなり、財政黒字もおよそ3分の2程度に目減りした。ただし、いずれも年度予算に対する進捗率は目標をクリアする水準で推移している。
今年上半期の歳入は前年同期比13.5%減の478億5260万パタカ(日本円換算:約6358億円)、年度(1〜12月)予算執行率は52.0%。このうち、ゲーミング税収は13.4%減の396億1210万パタカ(約5263億円)で、予算執行率は55.2%。歳入に占めるゲーミング税の割合は82.8%に達している。
一方、歳出については2.3%増の305億9230万パタカ(約4065億円)に膨らんでいるが、予算執行率は34.5%にとどまっている。
財政収支は172億6030万パタカ(約2293億円)のプラスを確保できているが、黒字幅は32.1%の大幅減となった。予算執行率は497.5%となっている。
ちなみに、ゲーミング税の税率は、カジノの場合で売上のおよそ40%に設定されている。マカオの月次カジノ売上は昨年6月から今年6月まで25ヶ月連続で前年割れ、今年上半期の累計カジノ売上は前年同期比11.4%減の1077億8700万パタカ(約1兆4323億円)。売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。