マカオ政府財政局は8月18日付で今年(2016年)1〜7月期の財政収支を公表。昨今のカジノ売上の低迷長期化を受け、歳入の大半を占めるゲーミング税収(カジノ及びその他ギャンブル運営企業からの直接税)が前年同期と比較して1割超の落ち込みとなり、財政黒字も4割超の縮小となった。ただし、いずれも年度予算に対する進捗率は目標をクリアする水準で推移している。
今年1〜7月累計の歳入は前年同期比14.2%減の554億7750万パタカ(日本円換算:約6970億円)、年度(1〜12月)予算執行率は60.3%。このうち、ゲーミング税収は12.8%減の453億850万パタカ(約5693億円)で、予算執行率は63.1%。歳入に占めるゲーミング税の割合は81.7%。
一方、歳出については5.8%増の394億5650万パタカ(約4957億円)に膨らんでいるが、予算執行率は44.6%にとどまっている。
財政収支は160億2100万パタカ(約2013億円)のプラスを確保できているが、黒字幅は41.4%の大幅減となった。予算執行率は461.8%となっている。
ちなみに、ゲーミング税の税率は、カジノの場合で売上のおよそ40%に設定されている。マカオの月次カジノ売上は昨年6月から今年7月まで26ヶ月連続で前年割れ、今年1〜7月の累計カジノ売上は前年同期比10.5%減の1255億6000万パタカ(約1兆5769億円)。売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。