マカオ政府統計調査局は8月22日、マカオ経済の屋台骨ともいえるゲーミング(カジノ及びその他ギャンブル)産業に関する今年第2四半期(2016年4〜6月)の人材需要及び給与統計を公表した。
今年第2四半期末時点のゲーミング業従事者数(カジノ仲介業及び仲介パートナー除く)は前年の同じ時期から3.0%減の5万5708人で、このうちカジノディーラー職が3.1%減の2万4285人。全体の92.7%がシフト制勤務だった。
今年6月のゲーミング業従事者全体の平均月額給与(ボーナス等除く)は前年同期比2.7%増の2万2060パタカ(日本円換算:約28万円)、カジノディーラー職に限ると2.0%増の1万8960パタカ(約24万円)で、いずれもこれまでの右肩上がりの上昇を維持した。
今年第2四半期のゲーミング業界における求人数は前年の同じ時期と比較して80ポジションの増となる587。求人は事務職、サービス職、セールスが中心だった。新規雇用数は66.5%減の660人、従業員採用率は2.3ポイント下落の1.2%。このほか、従業員離職率は横ばいの1.5%、求人率は0.1ポイント上昇の1.0%となるなど、ゲーミング業界における人材需要が後退していることが伺える。
今年第2四半期末時点のマカオのカジノ施設数は36、カジノテーブル数は5998台。マカオ全体の月次カジノ売上は、2014年6月から今年7月まで26ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。
なお、今年6月末時点のマカオの人口は65万2500人(今年6月末)、労働人口は39万400人(今年第2四半期)、失業率は1.9%(同)。単純計算で総人口のおよそ11人に1人、労働人口の7人に1人がゲーミング業に従事していることになる。