マカオの7月ホテル客室稼働率86.8%に上昇=14年11月以来の単月最高記録、供給増を消化

マカオは人口65万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2015年)通期の訪マカオ外客数は延べ(以下同)3071万4628人となり、前年から2.5%減だったものの3000万人の大台を2年連続突破した。今年7月の訪マカオ旅客数は前年同月から5.5%増の279.5万人、宿泊を伴う旅客についても12.4%増の145.6万人に上り、日帰り旅客を上回った。

マカオ政府統計調査局が8月30日に公表した最新統計によれば、今年7月の平均ホテル客室稼働率は86.8%で、前年同月から4.0ポイント、前月から4.8ポイントのそれぞれ上昇となり、2014年11月以来の単月最高を記録した。

今年7月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から2.6ポイント上昇の87.4%、4つ星が8.8ポイント上昇の90.6%、3つ星が1.6ポイント下落の79.3%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が1.6%、4つ星ホテルが28.4%のそれぞれ増、3つ星ホテルは供給客室数に変動なしだった点も考慮する必要がある。

今年7月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から2軒増の104軒、供給客室数は同6.3%増の3.16万室あり、このうち5つ星ホテルが1軒増の31軒で、供給客室数は全体の63.3%を占める2.00万室。

今年7月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比12.3%増の104.2万人。内訳は中国本土旅客が9.6%増の64.7万人、香港旅客が22.2増の18.3万人、台湾旅客が24.1%増の4.4万人、韓国旅客が49.1%増の2.5万人、日本旅客が19.1%増の1.3万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月と変わらずの1.4日。

今年1〜7月の累計ホテル宿泊客数は前年同期比12.7%増の648.4万人、平均ホテル客室稼働率は0.5ポイント上昇の79.8%、ホテル宿泊客の平均滞在滞在時間は0.1日マイナスの1.4日。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により今年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していたが、需給バランスが落ち着いたようだ。客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられる。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

今年(2016年)9月13日開幕予定の客室数3000室を擁する大型IR(統合型リゾート)パリジャンマカオ(資料)=マカオ・コタイ地区、2016年5月-本紙撮影

今年(2016年)9月13日開幕予定の客室数3000室を擁する大型IR(統合型リゾート)パリジャンマカオ(資料)=マカオ・コタイ地区、2016年5月-本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある複合リゾート「リスボエタマカオ(澳門葡京人)」併設のショッピングアーケー…
  2.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  3.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  4.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  5.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun