マカオ、ギャンブル業界全体の売上高約3兆円…15年=前年から3割超の下落

マカオ経済の屋台骨として知られるのが、カジノを中心としたゲーミング(ギャンブル)産業だ。マカオにはカジノ以外にも、競馬、ドッグレース、スポーツくじ、ロトなどのギャンブルが存在する。

マカオ政府統計調査局は9月23日、昨年(2015年)のゲーミング業調査結果を公表した。同年のギャンブル運営会社による売上高は前年から34.1%減となる2332.3億パタカ(日本円換算:約2兆9526億円)にとどまった。項目別では、ゲーミング売上が34.3%減の2315.8億パタカ(約2兆9318億円)、料飲が10.6%減の5.5億パタカ(約70億円)、外貨両替が24.6%減の7600万パタカ(約10億円)、利息が32.5%減の2.8億パタカ(約35億円)。

業界全体の総コストは32.5%減の1018.7億パタカ(約1兆2894億円)。このうち、仕入れ、コミッション、顧客へのリベート(キャッシュバック等)が45.1%減の569.9億パタカ(約7213億円)、ビジネスコストが13.5%減の212.4億パタカ(約2688億円)の2つが規模の大きいものとして挙げられる。ビジネスコストのうち、顧客に提供する無料の商品及びサービス(ホテル客室及び飲食等)にかかった費用が14.1%減の98.1億パタカ(約1242億円)、マーケティングプロモーション及び宣伝費が27.6%減の39.1億パタカ(約495億円)。なお、フルタイム従業員数は2.7%減の5万6217人だったが、人件費は5.1%増の199.3億パタカ(約2523億円)となった。このほか、減価償却及び利息等の営業外費用は4.6%増の37.0億パタカ(約468億円)に上った。

なお、マカオの昨年通期のカジノ売上は、前年から34.3%の大幅減となる2308.4億パタカ(約2兆9212億円)で、2年連続で前年割れとなり、金額は2011年実績をやや下回る水準にまで逆戻りした。不振の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。

マカオの月次カジノ売上は一昨年6月から今年7月まで26ヶ月連続で前年割れだったが、8月になってようやくプラスに転じた。

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

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