マカオに大量の偽札持ち込んだ中国人の男2人逮捕=カジノで使う
- 2016/9/30 10:47
- 社会・政治
今月(9月)12日から23日にかけて、マカオの8つのカジノ施設で額面1千香港ドル(日本円換算:約1万3千円)の偽札が30枚見つかった。
見つかった偽札はいずれもHSBC版2010年デザインの1千香港ドル紙幣を模したもので、発行日は「2012年1月1日」、番号は「CQ256474」で同一だった。また、透かしやホログラムなど偽造防止加工の一部に粗さが見受けられたものの、手触り、色合いとも本物に近い精巧なものであったという。
マカオ司法警察局は9月29日、容疑者として行方を追っていた中国・浙江省出身の男2人をコタイ地区にあるカジノ施設内で逮捕し、通貨偽造と偽造通貨行使の罪で送検したことを明らかにした。男らは14日にマカオを離れたことが確認されたが、29日未明にマカオを再訪したことから、追跡を行っていたという。
逮捕時、男らは6枚の偽札を所持しており、宿泊していたホテル客室内からさらに187枚が見つかった。今回新たに見つかった偽札については、より本物に近い改良版となっており、番号はいずれも「EY775364」だった。
男らは中国本土でパソコンのスキャン機能を使い偽札を作り、マカオのカジノに持ち込んでギャンブラーとの両替や自身の賭博のために使っていたことを認める供述をしたとのこと。持ち込んだ偽札の枚数については、毎回200枚だったとしている。
司法警察局では、インターポールと中国警察当局と連携し、中国本土の偽札印刷場所の特定、その他の関係者の有無などについて、捜査を進めていくとしている。
なお、男らの通貨偽造と偽造通貨行使の罪が確定した場合、2〜12年の懲役刑が科されることになるという。
香港及びマカオでは、およそ2年前に2003年版の中国銀行、HSBCが発行した1千香港ドル紙幣の精巧な偽札が少なくとも200枚見つかる事件があった。この際、カジノ、一般商店、銀行でも偽札が見つかったことを受け、市街の商店を中心に1千香港ドル紙幣の受け取りを拒否する動きが広がった。
マカオの法定通貨はマカオパタカだが、市場では一般的に香港ドルがほぼ等価で流通している。特に、カジノや不動産取引の現場などで香港ドルを使うのが一般的とあり、事実上のマカオにおける主要流通通貨のひとつとして取り扱われている。