マカオ、悪質タクシーの暗躍続く=9月検挙数248件、ぼったくりと乗車拒否が全体の約8割

近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。

マカオ治安警察局は10月5日、今年(2016年)9月及び国慶節連休4日目まで(10月1〜4日)の違反タクシー及び白タクに関する取り締まり状況を公表した。

9月の違反タクシーの検挙総数は248件で、このうちぼったくりが118件、乗車拒否が75件で全体の約77.8%を占めた。10月1〜4日の違反タクシー検挙総数は111件で、このうちぼったくりが66件、乗車拒否が30件で全体の86.5%を占めた。

マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約64万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数はおよそ1080台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。マカオ政府は供給数を年内に1500台まで増やして対応する考えを示している。

現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万3000円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。

また、9月のいわゆる白タクの検挙総数は127件で、このうちスマートフォン向けアプリを使った配車サービスに関するものが113件、10月1〜4日は前者が29件、後者が26件だったという。

世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」が昨年10月にマカオ進出を果たしたが、警察及び交通事務局は同サービスについて白タクにあたるとの見解を示し、取り締まりの対象とする方針を打ち出している。

違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2016年10月(写真:マカオ治安警察局)

違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2016年10月(写真:マカオ治安警察局)

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