マカオの伝統ギャンブル「トンボラ」が姿消す可能性=11月から一時営業中止

マカオ経済の屋台骨として知られるのがゲーミング(ギャンブル)産業だ。豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノ施設ばかりが目立つが、実は競馬、グレイハウンド犬を使ったドッグレース、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府と経営権契約を結ぶ民間事業者によって運営されている。

しかしながら、マカオにおけるカジノ以外のギャンブルについては、スポーツくじを除いて苦戦が伝えられている。

このほど、マカオ市街中心部の雑居ビル内に入るマカオ唯一のトンボラ場に、運営会社名でテナント契約の終了に伴い今年(2016年)11月1日から施設の営業を一時中止する予定とする通知が掲出されているのが確認できた。文面の中では再開時期については明確にされておらず、数十年の歴史を持つ伝統ギャンブルゲームが今月末でマカオから消える可能性も想定される。

トンボラ(Tombola)とは耳慣れない言葉だが、マカオ政府旅遊局の公式サイトによれば、もともとイタリアでクリスマス時期などにファミリーで楽しむビンゴに似た遊び方のゲームで、マカオにはギャンブルゲームとして持ち込まれたという。

マカオのギャンブル監理当局にあたるDICJの統計データを参照すると、トンボラの売上は2015年までの直近5年間で年間140〜170万パタカ(日本円換算:約1803〜2189万円)となっており、昨年通期のカジノ売上2308.4億パタカ(約2兆9728億円)との規模の差は歴然としている。

なお、トンボラはマカオのカジノ経営ライセンスを持つ6陣営の一角にあたるSJMホールディングスが運営している。

マカオでは1932年にスタートしたドッグレースについても存廃が議論されている。

マカオの市街中心部にあるトンボラ場の入口(資料)-本紙撮影

マカオの市街中心部にあるトンボラ場の入口(資料)-本紙撮影

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