台風警報発令下のマカオでぼったくりタクシー暗躍
- 2016/10/22 10:57
- 社会・政治
マカオでは、台風22号(国際名:ハイマー)の接近に伴い、10月21日午前8時30分から午後3時30分まで8時間、台風警報レベル8が発令された。
一旦、台風警報レベル8が発出されると、市内全域で路線バスやカジノホテルの無料シャトルバスの運行が取りやめとなり、タクシーが唯一の公共交通機関となる。
マカオ警察当局は警報レベル8が解除となった後、同日午前7時から午後3時半までの間の違反タクシー検挙状況についての発表を行った。検挙総数は67件で、うち50件がメーターを使わずに相場より高額な言い値をふっかけるなどのぼったくり行為、9件が乗車拒否だったという。
実は、今回のような悪天候にかかわらず、近年のマカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。今年1〜9月の違反タクシーの累計検挙数は3055件にも達しており、このうち、ぼったくりが1130件、乗車拒否1087件で大半を占める。マカオ警察当局では、消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為であるとし、あらためて関係当局と協力してパトロール、取り締まりに臨む姿勢を示した。
マカオの政府系放送局TDMが同時夕方のラジオニュースで報じた内容によれば、悪質タクシードライバーの言い値はカジノIR(統合型)施設が集中して建ち並ぶコタイ地区からマカオ半島旧市街地までのタクシードライバーの言い値は200〜500パタカ、コタイ地区内の施設間で100パタカだったといい、相場よりはるかに高い金額にあたる。
なお、市内交通のほか、マカオと香港や広東省各地を結ぶ高速船も早朝から夕方まで全面運休、マカオ国際空港を発着する航空便についても終日に渡って多数の欠航や遅延が生じた。