マカオの9月ホテル客室稼働率82.1%=大型IR開幕ラッシュによる供給増で宿泊客数2割増

マカオは人口65万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2015年)通期の訪マカオ外客数は延べ(以下同)3071万4628人となり、前年から2.5%減だったものの3000万人の大台を2年連続突破した。今年9月の訪マカオ旅客数は前年同月から0.5%増の242.7万人で、宿泊を伴う旅客が11.8%増の131.2万人に上った。

マカオ政府統計調査局が10月31日に公表した最新統計によれば、今年9月の平均ホテル客室稼働率は前年同月から3.7ポイント上昇、前月から8.2ポイント下落の82.1%だった。

今年9月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から0.6ポイント上昇の81.3%、4つ星が10.5ポイント上昇の86.5%、3つ星が6.3ポイント上昇の82.8%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が9.2%、4つ星ホテルが26.1%、3つ星ホテルが116.9%のそれぞれ増だった点も考慮する必要がある。3つ星ホテルが急増した理由については、9月13日に客室供給数3000室規模を誇る大型IR、パリジャンマカオがオープンしたことによる。

今年9月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から4軒増の107軒、供給客室数は同20.7%増の3.62万室あり、このうち5つ星ホテルが2軒増の32軒で、供給客室数は全体の59.9%を占める2.17万室。

今年9月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比20.2%増の102.5万人。内訳は中国本土旅客が20.9%増の64.4万人、香港旅客が12.5%増の15.2万人、台湾旅客が40.6%増の4.7万人、韓国旅客が75.5%増の2.9万人、日本旅客が4.0%増の1.8万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月と変わらずの1.4日。

今年1〜9月の累計ホテル宿泊客数は前年同期比12.9%増の858.5万人、平均ホテル客室稼働率は1.2ポイント上昇の81.2%、ホテル宿泊客の平均滞在滞在時間は0.1日マイナスの1.4日。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により今年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していた。こういった状況の中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられ、初夏以降の客室稼働率はは再び上昇に転じている。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

マカオ・コタイ地区に建ち並ぶ高層ホテル群(資料)=2016年7月-本紙撮影

マカオ・コタイ地区に建ち並ぶ高層ホテル群(資料)=2016年7月-本紙撮影

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