マカオ当局、中国本土発行の銀聯キャッシュカードの1日あたり出金上限額は不変…約16.7万円=1回あたり上限は半分に縮小
- 2016/12/10 11:21
- 産業・経済
香港の大手日刊英字紙が12月9日、マカオ当局が翌10日から中国本土の銀聯キャッシュカードを使ったマカオのATMにおける1日あたりの出金上限額を従来の1万パタカ(日本円換算:約14.4万円)から5000パタカ(約7.2万円)に縮小させる見通しと報じた。
これを受け、中国本土からマカオのカジノを訪れるギャンブラーの賭け金に影響するとの懸念が広がり、香港証券取引所に上場するマカオのカジノ運営会社の株価が軒並み大幅下落するなど、混乱が生じた。
しかしながら、同日午後3時半すぎ、マカオ政府金融管理局がプレスリリースを発出し、報道の内容が事実とやや異なることが判明するに至る。同局によれば、同日から中国本土発行の銀聯キャッシュカードを使ったマカオのATMにおける「1回あたり」の出金上限額を5000パタカまたは香港ドル*に調整したが、1日あたりの出金上限額上限は従来通りの1万人民元(約16.7万円)相当で不変とのこと。なお、今年(2016年)1月から中国本土発行の銀聯キャッシュカードを使った海外(香港、マカオ、台湾含む)における年間(1〜12月)累計の上限出金額は10万人民元(約167.1万円)に設定されている。
中国本土発行の銀聯キャッシュカードを使って海外ATMから出金する際、毎回手数料がかかる。1回あたり出金額が縮小したことで、複数回の出金が必要となる場合には手数料負担が増えるが、1日あたり出金上限は不変とあって、カジノへの影響はほぼないとみられる。
*マカオの法定通貨はマカオパタカだが、市場では一般的に香港ドルがほぼ等価(実際には1香港ドル≒1.03パタカ)で流通している。特に、カジノや不動産取引の現場などで香港ドルを使うのが一般的とあり、事実上のマカオにおける主要流通通貨のひとつとして取り扱われている。