マカオで中国本土からの密航事件相次ぐ
- 2017/3/11 13:28
- 社会・政治
マカオ税関(澳門海關)の発表によれば、3月10日未明に2つの密航事件が相次いだという。
同日午前3時頃、税関の沿岸巡視員がタイパ島の西灣大橋の橋脚付近で不審な木製ボートが海面を徘徊しているのを発見し、水陸両方から進路を塞ぎ、陸地で男女各1人ずつ、船上で2人の身柄を確保。船上にいた男の1人が蛇頭とみられるという。また、すぐに反密航連携メカニズムを作動させ、治安警察局員がさらに2人の密航者の男の身柄確保に成功した。
2つ目の事件は、午前4時頃発生。中国当局からマカオ半島北部沖合の埋立地に不審なゴムボートが接岸したとの通報を受け現場に急行し、船から上陸した4人の密航者の身柄を確保するとともに、高速艇でゴムボートを追尾し、操縦していた蛇頭とみられる男を取り押さえた。
税関の調べで、密航者9人と蛇頭とみられる2人はいずれも中国本土出身であることが判明。税関では、蛇頭とみられる2人を密航ほう助などの罪で送検し、残る9名の密航者の身柄については、治安警察局に引き渡す方針とのこと。
マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。