大型IRパリジャンマカオの噴水ストップ…退役軍人病患者が潜伏期間中に滞在したと判明、予防措置で

マカオ政府衛生局は4月21日、香港政府衛生署衛生防護センターが今年(2017年)把握した17名分の退役軍人病(レジオネラ肺炎)病例報告のうち、3人の患者が発病前の潜伏期間中にマカオへ旅行していたとする通報があったと発表した。

香港衛生防護センターがマカオ側に提供した資料によれば、3人の患者の年齢は66〜84歳のいずれも男性で、今年1〜4月にかけて発病。3人の呼吸器から採取したサンプル検査で、同じ型のウィルスが見つかったとのこと。3人はマカオ滞在中、コタイ地区の大型IR(統合型リゾート)パリジャンマカオに滞在、宿泊していたという。

マカオ政府衛生局は22日に発出したプレスリリースの中で、旅遊局の協力を得てパリジャンマカオにおける一連の調査を展開し、同施設に対して予防措置を講じるよう命じたことを明らかにした。

具体的には、21日夜からパリジャンマカオの噴水、スパプール、スイミングプール、給水システム等の公共用水域の保守状況調査とサンプル検査を実施。検査結果が出るまで10日間を要することから、噴水の一時停止及びサウナプール、スイミングプール、給水システムの徹底洗浄と消毒を要求したとのこと。

退役軍人病はレジオネラ菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。マカオにおける退役軍人病の感染例は、直近10年間で1例のみという。

パリジャンマカオは米ラスベガスサンズグループのサンズチャイナ社が運営するフランス・パリがテーマの大型IRで、2016年9月にオープンしたばかり。2分の1スケール(約160メートル)のエッフェル塔のレプリカ、供給客室数およそ3000室のホテル、カジノ、ショッピングモール、コンベンション施設、シアター、スパ、ウォーターパークなどで構成される。

パリジャンマカオ外観(資料)=マカオ・コタイ地区、2016年6月-本紙撮影

パリジャンマカオ外観(資料)=マカオ・コタイ地区、2016年6月-本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun