マカオの3月ホテル客室稼働率82.7%=相次ぐ大型IR開幕で供給増も10ヶ月連続昨対上回る

マカオは人口約65万人、面積約30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2016年)通期の訪マカオ外客数は前年から0.8%増の延べ(以下同)3095万0336人となり、3000万人の大台を3年連続突破した。また、今年3月の訪マカオ旅客数は前年同月から5.7%増の250.1万人で、宿泊を伴う旅客が13.9%増の165.5万人に上った。

マカオ政府統計調査局が4月28日に公表した最新統計によれば、今年3月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から5.5ポイント上昇、前月から2.2ポイント下落となる82.7%だった。対前年の客室稼働率の上昇は10ヶ月連続。

今年3月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から4.9ポイント上昇の82.3%、4つ星が8.0ポイント上昇の87.9%、3つ星が0.9ポイント上昇の80.6%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が6.8%増、4つ星ホテルが横ばい、3つ星ホテルが116.7%増だった点も考慮する必要がある。3つ星ホテルが急増した理由については、昨年9月13日に客室供給数3000室規模を誇る大型IR、パリジャンマカオがオープンしたことによる。

今年3月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から2軒増の108軒、供給客室数は同13.1%増の3.64万室あり、このうち5つ星ホテルが33軒で、供給客室数は全体の60.2%を占める2.19万室。

今年3月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比17.3%増の105.6万人。内訳は中国本土旅客が24.8%増の70.1万人、香港旅客が11.4%減の13.0万人、台湾旅客が27.9%増の3.7万人、韓国旅客が73.6%増の3.7万人、日本旅客が8.8%増の1.7万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.4日。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により昨年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していた。こういった状況の中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられ、初夏以降の客室稼働率は再び上昇に転じている。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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