営業距離「世界最短」マカオ・松山ロープウェイが一時運休…落雷による故障原因
- 2017/6/22 10:02
- ツーリズム
実はマカオには鉄道がない。現在、東京・ゆりかもめ型の新交通システム「マカオLRT」の建設工事が進められている。なお、広義の意味での鉄道としては、鋼索線の「松山ロープウェイ(漢字表記:松山纜車)」が存在する。
松山ロープウェイを運営するマカオ政府民政総署は6月21日、同日ロープウェイで異常が発生したことから、運転を見合わせて検査を実施したところ、落雷が原因と想定されるパーツ故障が見つかったため、しばらくの間、運休すると発表した。すでに代替部品の発注を済ませているというが、運転再開時期については後日発表するとして具体的なスケジュールは示されていない。このところ、マカオでは連日雷雨が続いている。
松山ロープウェイは、マカオがポルトガルから中国に返還される2年前にあたる1997年に営業を開始。マカオ半島北部の旧市街エリアにあるフローラ公園(二龍喉公園)内にある駅とマカオ半島で最も標高の高いギアの丘(松山または東望洋山)の山頂近くにある駅の間を結んでいる。営業距離はわずか186メートルで、ガイドブック等では「世界最短」として紹介されることも多い。
乗車時間は片道約1分20秒。短い時間だが、眼下には色とりどりの花が咲き、美しい緑が広がるフローラ公園、手前には昔ながらの住宅街、奥には世界遺産が密集する歴史市街地区の美しい景観を望むことができる。ギアの丘にある世界遺産・ギア要塞へのアクセスにも便利とあって、観光客はもちろん、市民の間でも身近なレジャー施設として親しまれている。
松山ロープウェイの運転時間は午前8時から午後6時までで、毎週月曜は運休(祝日と重なる場合は翌日休)。運賃は片道2パタカ(日本円換算:約28円)、往復3パタカ(約41円)。マカオの交通系ICカード「マカオパス」には未対応。