マカオ、ぼったくりタクシー検挙数が80%増…17年上半期累計

近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。

マカオ治安警察局は7月7日、今年上半期(2017年1〜6月)のタクシー及び白タクに対する取り締まり状況を公表した。

上半期累計のタクシーによる違反検挙総数は前年の同じ時期から10%増の2327件で、このうちぼったくりが80%増の1312件、乗車拒否が19%減の626件あり、検挙数全体の83.3%を占めた。

なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。

マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約65万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数は1千台強にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。

現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万4160円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。マカオ交通事務局は今年2月中旬、ドライバーに対して法律の規定通りに乗務記録をつけるよう呼びかけを行い、検査を厳格化する方針を示した。

また、今年上半期累計のいわゆる白タクの検挙総数は976件で、このうち850件が配車アプリを使ったサービスだったという。世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」が一昨年10月にマカオ進出を果たしたが、警察及び交通事務局は同サービスについて白タクにあたるとの見解を示し、取り締まりの対象とする方針を打ち出している。

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(写真:マカオ治安警察局)

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(写真:マカオ治安警察局)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は3月31日、タクシー車内で拾った多額の現金入りの財布を着服したとして香港人の女…
  2.  このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2025年)1〜2月累計の歳…
  3.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は4月1日、今年(2025年)3月の月次カジノ売上(粗収益、…
  4.  マカオ国際空港を拠点とするマカオ航空(Air Macau/NX)は3月31日、モバイルバッテリー…
  5.  マカオ政府文化局(ICM)は3月27日、フランスのピアニスト、ジャン=イヴ・ティボーデ(Jean…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  2.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年4月号
(vol.142)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun