<台風13号>マカオの死者9人、負傷者200人超に…政府が善後策発表 気象局長の辞職も
- 2017/8/25 10:12
- 社会・政治
台風13号(国際名:ハト)が8月23日午前から午後にかけてマカオへ襲来し、甚大な被害をもたらした。被災から3日目(8月25日)の朝を迎えた現在も、市内の広い範囲で停電、断水が続き、復旧作業が急ピッチで進められている。また、複数の地下駐車場が水没しており、税関の潜水隊及び消防のポンプ車による排水作業が行われている。
マカオ政府市民防衛オペレーションセンターが8月25日午前7時すぎに発表した内容によれば、午前6時24分、水没していたマカオ半島西部沿岸の筷子基(ファイチーケイ)地区にあるマンションの地下駐車場で身元不明の男性1人の遺体を発見、収容したとのこと。台風13号による死者は合計9人(ひき逃げによる死者を含む)となった。負傷者は200人以上。
マカオ政府は8月24日午後6時30分に記者会見を開催。冒頭、マカオ特別行政区政府のフェルナンド・チュイ(崔世安)行政長官が予想を上回る規模の台風となり、緊急対応への準備不足があったとして市民に謝罪。市民生活の正常化に向けた復旧作業に全力を注ぐ姿勢を示した。また、マカオ基金会が総額13.5億パタカ(日本円換算:約184億円)に上る支援金を用立てるなど、政府各部門のトップから善後策が発表された。支援金の内容については、台風による死者の家族への慰問金が1人あたり30万パタカ(約408万円)、病院での治療を必要としたケガ人への慰問金が1人あたり最大3万パタカ(約41万円)窓ガラスの破損や浸水といった物損への補助が1戸あたり3万パタカ、停電・断水のあったすべての住戸にそれぞれ電気代1000パタカ(約1万3600円)、水道代1000パタカずつの補助など。中小企業や低所得者への支援策についてもすでに別途で発表済み。
このほか、記者会見において地球物理気象局のフォン・ソイクン(馮瑞權)局長が自己都合による辞職願を提出し、受理したことも発表された。フォン局長をめぐっては、台風警報を発令するタイミングが遅れたことで被害が拡大したなどとする批判の声が上がっており、台風発生当日夜の記者会見に出席した際、メディアから責任を問う質問も出されていた。
マカオは年間3000万人を超える旅客が訪れるアジア有数の観光都市として知られる。マカオ政府旅遊局が8月24日午後9時すぎに発表した情報によれば、3〜5つ星ホテル64軒の運営状況は下記の通り。
・電気・水道とも通常:36軒
・水道のみ通常で停電状態:1軒
・電気は通常だが断水状態:6軒
・不明(連絡つかずまたは未回答):8軒
同局では、マカオのホテルに宿泊を予定している旅客に対し、事前にホテル側へ連絡し、最新状況を把握するよう呼びかけている。
マカオ政府市民防衛オペレーションセンターが8月25日午前3時時点でまとめた台風13号による被害状況は下記の通り。
・死者:8人(ひき逃げによる死者含む)*午前7時すぎの発表で「9人」に
・ケガ人:244人
・建造物損壊、コンクリート脱落、落下物:54件
・看板、庇、鉄片/鉄の棒、窓枠落下、落下寸前の窓枠:116件
・建設工事現場の足場の落下及び倒壊:13件
・電線落下、倒木:114件
・浸水:54件
(>>台風13号関連写真は「マカオ新聞」公式フェイスブックの記事参照)