マカオで在郷軍人病感染例確認…患者は62歳男性 中国本土のホテルで感染か
- 2017/8/26 12:49
- 社会・政治
マカオ政府衛生局は8月25日午後、マカオで在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表した。
SSMによれば、患者はマカオ人の62歳の慢性腎疾患を持つ男性で、8月20日に発熱、せき、息切れなどの症状が出たため、公立のクリニックを受診。翌21日に症状が悪化したため、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院を受診し、尿検査で在郷軍人病に感染していることが判明した。患者は同院に入院して呼吸器による治療を受けているとのこと。なお、患者が発病から10日前に中国本土へ出かけ、現地のホテルに宿泊していたことから、マカオではなく外地で感染した可能性が高いとした。また、患者の家族や同僚に類似の症状はなく、その他の類似事例も報告されていないという。
在郷軍人病はレジオネラ菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。マカオにおける退役軍人病の感染例は、直近10年間で2010年に確認された1例のみとのこと。