マカオの公共路線バス約10年ぶり運賃値上げ検討…ゾーン制から均一運賃に

マカオ政府交通事務局は9月29日、同日開催された政府交通諮問会議に公共路線バス運賃について、現在のゾーン制から均一運賃に変更した上で値上げする改定案を提出した。時期については各方面の意見を聞いた上で決まる方針とのことだが、運賃値上げとなれば、およそ10年ぶりのこととなる。

現行のゾーン制運賃(一般料金)は、現金支払いの場合で2.8〜6.4パタカ(日本円換算:約39〜89円)、交通系ICカードのマカオパスを使った支払いの場合で2.0〜3.0パタカ(約28〜42円)。新しい均一料金案では、現金で6.0パタカ(約84円)となるほか、マカオパスではマカオ市民(マカオ居留権保有者)と非市民、普通バスと快速バスでそれぞれ料金を分け、普通バスの市民が3.0パタカ(約42円)、非市民が4.0パタカ(約56円)、快速バスの市民が4.0パタカ(約56円)、非市民が5.0パタカ(約70円)にするとした。現金支払いで3ゾーンを跨ぐバスを利用する場合を除いて全面的な値上げとなる。

マカオ政府交通事務局では、今回の運賃値上げについて、バス会社の経営状況の改善と政府によるバス会社支援金の軽減などを考慮してのものと説明。マカオ政府によるバス会社への支援金は2011年以降の累計で45億パタカ(約629億円)に上るという。目下、毎月の支援金は7900万パタカ(約11億円)といい、運賃値上げによって1300〜1500万パタカ(約1.8億〜2.1億円)の減少が見込まれるとのこと。政府として、この減少分を新型バス導入への支援に振り分け、乗車環境が改善させたい意向もあるとした。

なお、マカオの公共路線バスの1日あたり平均利用者数は2011年の32万人から、2017年には58万人まで増えたという。

公共路線バス運賃値上げ案が提出された交通諮問会議=2017年9月29日(写真:GCS)

公共路線バス運賃値上げ案が提出された交通諮問会議=2017年9月29日(写真:GCS)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun