マカオのカジノディーラー親子逮捕、勤務先から約1300万円分のチップ詐取
- 2017/11/7 11:39
- 社会・政治
マカオ司法警察局は11月6日、勤務先のカジノ施設から複数回にわたってゲーミングチップを持ち出したとして、マカオ人のカジノディーラー職の男(31)及びその母親(58)を業務上横領の疑いで逮捕したと発表した。
警察発表によれば、先月(10月)31日午後6時頃、コタイ地区のカジノ施設からディーラーが勤務中に金銭を詐取している疑いがあるとの通報を受け、捜査員を現場に派遣。捜査員が監視カメラ映像などを確認したところ、ディーラーが2つの方法でカジノから金銭を詐取している様子が映っていたとのこと。
1つ目が、勝ちが1万香港ドル(日本円換算:約15万円)以下の場合、カジノ施設側がチップの数をチェックできない仕組みを利用し、被疑者がギャンブラーを装ってテーブルに付いた母親に対して毎回1000〜2000香港ドル(約1万5000〜3万円)分のチップを上乗せして払い出す方法。2つ目が、母親が額面1000香港ドル分のチップ10枚を額面1万香港ドル分のチップ1枚に両替する際、1万香港ドルチップを2枚渡す方法だったという。
捜査員が監視を続けたところ、翌日午前2時に再び親子が同様の方法を行ったため、捜査員が現場に急行し、2人の身柄を拘束。この際、2人はカジノ施設から詐取したものとみられる5万香港ドル(約75万円)を所持していたという。
カジノ施設の計算では、2人は合計51回にわたって詐取行為によって、13万香港ドル(約190万円)の損失が発生したとのこと。親子は警察の調べに対し、今年(2017年)6月から犯行をスタートし、これまでに90万香港ドル(約1313万円)を得たこと、動機についてはギャンブル依存の状態にあり、賭博や生活費に使ったと供述しているという。また、犯行計画を企てたのは息子とのことで、ディーラー歴はおよそ1年間。警察では、男を業務上横領の罪で送検する方針。
マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくゲーミングチップを使用する。ゲーミングチップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚10万香港ドル以上の高額チップも存在する。
ゲーミングチップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばゲーミングチップを狙った犯罪が発生している。