春節休暇ホテル予約出足遅い―ピークは3日目以降

主に中国本土からの観光客のマカオ訪問がピークを迎える春節(旧正月)休暇が近づいている。しかし、ホテル関係者によるとホテル客室の予約の出足は遅く、旧暦大晦日から元旦にかけての予約率は前年比10~15%程度減となる模様。主な原因として、新規大型ホテルの開業により昨年同時期と比較して客室供給数が増えていることが挙げられる。

6日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。客室供給総数が増加した上、各ホテルがプロモーション価格を打ち出していることから、3つ星や4つ星クラスのホテルで競争が発生し、価格を上げにくい状況もあるという。客足は旧暦新年3日目からピークを迎え、ホテル予約率も昨年並みに戻るというが、コスト増に比例した客室単価アップは難しいとみられる。

マカオホテル旅行業商会(酒店旅業商會)の陳志杰会長によると、旧暦年末から新年2日目までの予約率は低く、平均で5~6割程度と昨年水準には及ばないとのこと。新年3日目から6日目の予約率は6~7割で、なお予約が入り続けている状況だが、昨年と比較すると出足は遅い。今年は客室供給数が増加している上、割安価格などのプロモーションを展開するところもあり、業界内競争が激化していると見る。

現在、カジノリゾートホテルの客室価格は6,000パタカ以上というところもある。業界内では今年は客室価格値上げをしない傾向にあり、3つ星や4つ星クラスの客室単価も新年3日目~6日目で昨年より安い約2,000パタカ前後と通常の週末並みの価格を維持する。ただし、今年は中国本土経済が回復の基調もあり、目下の予約率は目標を下回るものの、今後市場の動向を見ながら値上げをできるチャンスはあるという見方を示す。

ある4つ星ホテル関係者によると、昨年9月にコタイ地区に4千室規模の大型ホテルが開業して以降、ホテル業界に競争が芽生えたという。新規開業したホテルは5つ星ホテルだが、客層は4つ星ホテルと同じで、旧暦新年元旦から3日目まで約1,500パタカ(諸税抜き)というプロモーション価格を打ち出すなど、3つ星、4つ星ホテルへ大きな影響を及ぼしているという。また、こういったプロモーションが他の5つ星ホテルに与える影響は軽微だという。

別の旅行業関係者は、本格的なピーク時期となる旧暦新年3日目以降のホテル価格については、5つ星ホテルで4,000~5,000パタカ、3つ星で2,000パタカ前後と昨年同期と比較して若干の値上がりとなると語る。今年は新春イベントが多く、マカオへの旅行熱が高まるとみられ、観光客数が増加するとの見通しだ。

春節に向けた飾り付けが街を彩る(資料)=塔石広場―本紙撮影

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