マカオ、新禁煙法違反6262件…1〜11月累計=18年元旦から禁煙ゾーン拡大と罰金引き上げ
- 2017/12/7 9:57
- 社会・政治
世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでは屋内公共エリア及び公園などの大半を禁煙とする「新禁煙法」が2012年元旦から施行された。違反者には最高600パタカ(日本円換算:約8370円)の罰金が科せられ、マカオ政府衛生局(SSM)の法執行官(禁煙Gメン)が昼夜を問わず巡回取り締まりを行っている。
SSMが12月6日に発出したプレスリリースによれば、新禁煙法が施行された2012年元旦から今年(2017年)11月末日までの禁煙Gメンによる巡回場所は延べ159万1408箇所(1日平均延べ742箇所)、違反人数は延べ4万4204人に達したといい、愛煙家に対してあらためて法律を遵守するよう呼びかけた。
今年1月1日から11月30日の期間に限ると、禁煙Gメンによる巡回場所は延べ30万0870箇所(1日平均延べ943箇所)、累計違反件数は6262件だった。違反の内訳は、禁煙ゾーンでの違法喫煙行為が6251件、基準を満たさないパッケージの商品が11件。
違法喫煙行為の違反者のうち、男性が全体の93.7%を占める5856人、女性が6.3%の395人、マカオ市民が47.7%の2979人、海外(中国本土・香港・台湾含む)からの旅客が47.4%の2961人、海外労働者が5.0%の311人。取り締まりにあたって警察の協力を必要とした事案が168件あった。なお、罰金の納付率は86.5%。
マカオのカジノ施設は、2014年10月6日からハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙、平場にあたるマスゲーミングフロアが全面禁煙となった。マスゲーミングフロアには喫煙ルームが設置されている。
カジノ内については、SSMとカジノ監理当局にあたるDICJが合同で取り締まりを行っている。今年1月1日から11月30日までの2部局による合同巡回場所は延べ616箇所、違法喫煙行為は891件あった。違反者は男性が全体の94.4%を占める841人、女性が5.6%の50人、海外からの旅客が84.0%の748人、マカオ市民が15.6%の139人、海外労働者が0.4%の4人。
マカオ政府はVIPルームについても、マスゲーミングフロア同様の喫煙ルームを設置するかたちでの禁煙化を実施する予定。このほか、増税によるたばこ製品の値上げや免税持ち込み範囲の縮小などの施策も相次いで講じられおり、愛煙家を取り巻く環境は厳しさを増している。
2018年1月1日から改正新禁煙法が施行され、バス停周囲10メートルの範囲が新たに禁煙ゾーンとなるほか、違反者に対する罰金も1500パタカ(約2万0926円)に引き上げられる。