11月のマカオの悪質タクシー違反検挙数519件…前月から16.4%減=ぼったくりと乗車拒否が全体の9割超
- 2017/12/8 8:19
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。
マカオ治安警察局は12月7日、今年(2017年)11月のタクシー及び白タクに対する取り締まり状況を公表した。
今年11月のタクシーの違反検挙総数は中国の国慶節及び中秋節の大型連休があり、公共路線バスの営業がストップする台風警報8号以上が1回発令された前月から16.4%減となる519件となり、このうちぼったくりが24.4%減の307件、乗車拒否が1.2%増の167件で、検挙数全体の91.3%を占めた。
今年1〜11月累計の違反総検挙数4921件で、このうちぼったくりが2878件、乗車拒否が1377件あり、検挙数全体の86.5%を占めた。
なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。
マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約65万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数は約1600台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。
現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万4000円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。マカオ交通事務局は今年2月中旬、ドライバーに対して法律の規定通りに乗務記録をつけるよう呼びかけを行い、検査を厳格化する方針を示した。
また、今年11月のいわゆる白タクの検挙総数は前月から46.7%の大幅減となる16件。スマートフォン向けのアプリを使った配車サービスの検挙はゼロだった。マカオでは一昨年10月に世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」がサービスを開始したが、警察及び交通事務局が白タクにあたるとの見解を示して取り締まりの対象としていた。その後、Uberは今年7月21日をもってマカオでのサービス提供を停止している。