マカオ、17年11月のホテル客室稼働率90.4%…対前年3.3ポイント上昇

マカオは人口約65万人、面積約30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

一昨年(2016年)通期の訪マカオ外客数は前年から0.8%増の延べ(以下同)3095万0336人となり、3000万人の大台を3年連続突破。昨年(2017年)11月の訪マカオ旅客数は前年同月から9.4%増の283万3061人、宿泊を伴う旅客は10.0%増の151万1769人に上った。

かつて、訪マカオ旅客の大半が日帰りだったが、昨今では宿泊を伴う旅客が増加傾向にあり、一昨年6月から昨年11月までの間、昨年1、2月を除いて宿泊を伴う旅客が日帰り旅客の数を上回っている。

マカオ政府統計調査局が昨年12月29日に公表した最新統計によれば、同年11月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から3.3ポイント、前月から2.2ポイントのそれぞれ上昇となる90.4%だった。

対前年の客室稼働率は大型台風により甚大な被害に見舞われた8月に15ヶ月ぶりの下落となったが、9月は再び上昇に転じ、11月まで対前年プラスを維持した。

昨年11月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から4.6ポイント上昇の91.3%、4つ星が0.9ポイント上昇の93.7%、3つ星が2.0ポイント上昇の86.2%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が2.9%増、4つ星ホテルが横ばい、3つ星ホテルが2.6%増だった点も考慮する必要がある。

昨年11月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から3軒増の110軒、供給客室数は同2.5%増の3.71万室あり、このうち5つ星ホテルが33軒で、供給客室数は全体の60.1%を占める2.23万室。

昨年11月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比2.1%増の113.3万人。主な内訳は中国本土旅客が9.4%増の76.8万人、香港旅客が25.1%減の11.2万人、韓国旅客が27.9%増の4.0万人、台湾旅客が8.9%減の3.6万人、日本旅客が1.5%減の2.0万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.4日。

今年1〜11月累計のホテル宿泊客数は前年の同じ時期から10.4%増となる1195.1万人、平均客室稼働率は3.7ポイント上昇の86.4%、平均滞在時間は0.1日増の1.5日、宿泊を伴う旅客全体に占めるホテル宿泊者の割合は0.1ポイント上昇の72.1%。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により一昨年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していた。こういった状況の中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられ、同年初夏以降の客室稼働率は再び上昇に転じていた。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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