マカオの住宅平均平米単価が過去最高更新…2017年=カジノ市場復調受け
- 2018/1/28 11:07
- 産業・経済
昨年(2017年)のマカオの年間カジノ売上が2657.43億パタカ(日本円換算:約3兆5846億円)となり、4年ぶりに対前年プラスとなったが、ピークだった2013年の3607.49億パタカ(約4兆8661億円)との隔たりはまだ大きい。
一方、昨年の住宅平均平米単価は10万0569パタカ(約135.7万円)で、ピークだった2014年の10万0156パタカ(約135.1万円)をわずかながら上回り、過去最高を更新した。
マカオにおいて、カジノ売上と住宅価格の変動傾向は概ね一致している。近年では、2010年からカジノ売上が急上昇、2015年から低迷期に入った。2010年の住宅平均平米単価は3万7018パタカ(約49.9万円)だったが、ピークの2014年には10万0156パタカ(約135.1万円)となる。2015年からカジノ売上が低迷期に入ると、すぐに住宅価格も反映された。2015年、2016年の住宅平均平米単価はそれぞれ8万7149パタカ(約117.6万円)、8万5916パタカ(約115.9万円)。ただし、いずれもカジノ売上と比較して下落幅は小さかった。また、2017年にカジノ売上が対前年2桁の回復をみせると、住宅価格も再上昇に転じる。マカオ政府が2軒目以降の不動産購入者に対する住宅ローンの貸し出し比率制限を強化する過熱予防策を打ち出すも、通期の住宅平均平米単価は過去最高の10万0569パタカ(約135.7万円)に達した。
2014年と昨年の取引件数と平均平米単価の比較では、2014年の取引件数は7218件で、内訳は中古(完成済)物件が5947件/平均平米単価が8万6419パタカ(約116.6万円)、プレビルト(未完成)が1271件/平均平米単価が15万4389パタカ(約208.3万円)、昨年の取引件数は1万0452件で、内訳は中古が8315件/平均平米単価が8万9961パタカ(約121.3万円)、プレビルドが2137件/平均平米単価が13万7871パタカ(約186.0万円)。つまり、昨年は中古住宅が平均平米単価を押し上げる主要因だったといえ、プレビルドについては過去最高を更新するに至っていない。
昨年末、マカオ政府行政長官が短期内に住宅ローン貸付のさらなる引き締めのほか、税制面に手に入れるなど、さらなる不動産価格抑制策を打ち出す方針を示したが、これまでのところ具体的な内容や実施時期は発表されていない。