マカオの悪質タクシー運転手がテレビ記者相手にぼったくり…報道きっかけで検挙
- 2018/2/10 12:51
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。
2月8日午後4時30分頃、中国・広東省から仕事のためマカオを訪れていた広東広播電視台(テレビ局)の男性記者がマカオ半島北部の關閘でタクシーに乗車し、行き先としてマカオ半島東部の新口岸地区のホテルの名を伝えたところ、運転手の女は運賃を200パタカ(日本円換算:約2700円)と言い値を伝えてきたという。記者はメーターを使用するよう依頼したが、運転手が旧正月前の時期はメーターを使用しないのだと主張し、再度同額を要求したため、記者は自身が記者としてテレビ局に勤務していることを明かした上、スマートフォンのカメラで動画撮影をしながら問答を続けた。すると、運転手は態度を大きく変え、自らメーターのボタンを押し、記者に対して言い訳を繰り返しながら運転を続け、無事に目的地に到着。料金はメーター通りだったとのこと。
記者はタクシー車内での運転手とのやり取りの様子を撮影した動画をマカオ最大手の新聞社、澳門日報に提供。同紙が同日夜にその内容をアプリ版及びSNS版ニュースで報道したところ、動画再生回数は10万回を超え、多くの読者がシェアするなど、大きな反響があったという。
マカオ治安警察局は9日夜にプレスリリースを発出し、ネット上で話題となっていた40代のタクシー運転手の女の検挙に成功したと発表。同日午後4時頃、コタイ地区で悪質タクシードライバーの取り締まりをしていた際に発見したとのことで、違反常習者という。女は警察の調べに対し、動画に映っていたのが自分自身であり、違反行為を認める供述をしているとのこと。
マカオの昨年(2017年)通期の違反検挙総数は前年から32.3%増となる5491件で、このうちぼったくりが85.6%の大幅増となる3180件、乗車拒否が11.4%増の1574件で、検挙数全体の87.6%を占めた。実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。