18年2月のマカオの悪質タクシー違反検挙数801件…前年同月から倍増=ぼったくりと乗車拒否が約9割
- 2018/3/11 10:36
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。
マカオ治安警察局は3月9日、今年(2018年)2月のタクシー及び白タクに対する取り締まり状況を公表した。
今年2月のタクシーの違反検挙総数は前年同月から230%、前月から43.8%のそれぞれ増となる801件に上った。内訳では、ぼったくりが全体の70.8%にあたる567件、乗車拒否が同19.5%の156件で、いずれも前年同月、前月を大きく上回った。増加要因として多客期の旧正月シーズンが昨年は1月、今年は2月となった月ズレによる影響が挙げられる。
昨年通期の違反検挙総数は前年から32.3%増となる5491件、このうちぼったくりが85.6%の大幅増となる3180件、乗車拒否が11.4%増の1574件で、検挙数全体の87.6%を占めた。
なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。
マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約65万人、年間訪マカオ外客数は約3250万人であるのに対し、タクシー総数は約1600台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。
現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万3200円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。マカオ交通事務局は昨年2月中旬、ドライバーに対して法律の規定通りに乗務記録をつけるよう呼びかけを行い、検査を厳格化する方針を示した。
また、今年2月のいわゆる白タクの検挙総数は前年同月から大幅減となる19件。マカオでは2015年10月に世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」がサービスを開始したが、警察及び交通事務局が白タクにあたるとの見解を示して取り締まりの対象としていた。その後、Uberは昨年7月21日をもってマカオでのサービス提供を停止している。