マカオLRTタイパ線で試運転開始…2019年開通予定=車両はゆりかもめと同タイプの日本製
- 2018/3/31 10:35
- 産業・経済
マカオ政府運輸インフラオフィス(GIT)は3月29日、同日からマカオ新交通システム(マカオLRT)第1プロジェクトのうち、先行開業を予定しているタイパ線の一部で試運転を開始したと発表した。
初日の試験は海洋(オセアーノ)駅〜馬會(ジョッキークルービ)駅〜運動場(エスタディオ)駅〜排角(パイコック)駅の間の高架軌道区間で実施され、信号システム及びATC(自動列車制御装置)の動作状況の確認などが行われた。今後、別の区間にも拡大し、各種試験が進められる。
マカオ初となる軌道系大量輸送機関として大きな期待がかかるマカオLRT第1期プロジェクトはマカオ半島北部の關閘から外港フェリーターミナル、新口岸、南灣湖を経由して媽閣に至るマカオ半島線、媽閣から西灣大橋を経てタイパ島に入り、大型IR(統合型リゾート)が建ち並ぶコタイ地区を通ってマカオ国際空港、タイパフェリーターミナルに至るタイパ線の2線、21駅、21キロメートルで構成される。
このうち、タイパ線(9.3キロ、11駅)が2012年末に先行着工済み。マカオ半島線についてはルート調整が難航するなど、現在まで本格着工に至っていない状況だ。そもそも、2011年3月時点では2015年4月開業を予定していたが、これまで複数回にわたって延期が繰り返されてきた。現時点でタイパ線については2019年開業予定とアナウンスされている。
マカオLRT第1期プロジェクトは、国際入札を経て日本の三菱重工と伊藤忠商事の共同体が駅舎と土木工事を除くLRTシステム一式を46億8800万パタカ(日本円換算:約615億円)で受注しており、マカオの公共工事として日本企業が獲得した最大規模の案件としても注目されている。東京の「ゆりかもめ」と同タイプ(クリスタルムーバー型)の日本製列車がマカオの街を走る予定。すでに、昨年(2017年)11月から続々と日本からの車両の搬入が進められている。