マカオ、中国本土からの密航者載せたモーターボートが税関船舶に体当たりや竹棒攻撃…全員の身柄拘束

マカオ税関(澳門海關)によれば、4月8日午前0時頃、中国海上保安当局から不審船の情報提供を受け、スピードボートを出して警戒にあたっていたところ、タイパ島北東にあるマカオ国際空港沖を高速航行するモーターボートを発見。

不法行為が疑われたため、臨検のための停止を命じたが、命令を無視し、さらに加速して逃走を図ったとのこと。追跡時、モーターボートから税関船舶への体当たりがあったほか、操縦者1人が竹棒で税関船上にいた税関職員に対して攻撃を仕掛けてきたという。その後、操縦者2人が海に飛び込んで姿を消したが、捜索により近くの海上で発見。モーターボート上に残された4人とともに身柄の拘束に成功した。

船に乗っていたのは23〜45歳の男4人、女1人の計6人で、うち5人が中国本土出身、1人がマカオ居民身分証を所持していた。税関では、操縦者の男2人を密航者隠匿及び反抗・脅迫、違令罪、マカオ居民の男を密航者隠匿罪で送検するとともに、密航者3人の身柄を出入境管理を管轄する治安警察局に引き渡す方針。

マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

マカオ税関が押収したモーターボート(写真:澳門海關)

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