マカオLRTタイパ線の運営とメンテナンス、香港MTRに委託…開業後5年間
- 2018/4/11 11:34
- 産業・経済
マカオ政府運輸インフラオフィス(GIT)は4月11日、マカオ新交通システム(マカオLRT)第1プロジェクトのうち、2019年に先行開業を予定しているタイパ線の運営及びメンテナンス業務について、香港の鉄道事業者MTRと委託契約を締結したと発表した。
契約期間は80ヶ月、契約内容は開業前の試運転、システム有効化作業、運営チーム編成、人材育成及び開業後5年間の運営、信号システムおよびインフラ設備のメンテナンス、契約金額は58.8億パタカ(日本円換算:約782億円)とのこと。
目下、マカオ政府の全額出資によるマカオLRT運営会社の設立準備を進めており、新会社設立後、香港MTRとの契約も新会社に移行される予定。
マカオ初となる軌道系大量輸送機関として大きな期待がかかるマカオLRT第1期プロジェクトはマカオ半島北部の關閘から外港フェリーターミナル、新口岸、南灣湖を経由して媽閣に至るマカオ半島線、媽閣から西灣大橋を経てタイパ島に入り、大型IR(統合型リゾート)が建ち並ぶコタイ地区を通ってマカオ国際空港、タイパフェリーターミナルに至るタイパ線の2線、21駅、21キロメートルで構成される。
このうち、タイパ線(9.3キロ、11駅)が2012年末に先行着工済み。マカオ半島線についてはルート調整が難航するなど、現在まで本格着工に至っていない状況だ。そもそも、2011年3月時点では2015年4月開業を予定していたが、これまで複数回にわたって延期が繰り返されてきた。現時点でタイパ線については2019年開業予定とアナウンスされている。
マカオLRT第1期プロジェクトは、国際入札を経て日本の三菱重工と伊藤忠商事の共同体が駅舎と土木工事を除くLRTシステム一式を46億8800万パタカ(約623億円)で受注しており、マカオの公共工事として日本企業が獲得した最大規模の案件としても注目されている。東京の「ゆりかもめ」と同タイプ(クリスタルムーバー型)の日本製列車がマカオの街を走る予定。すでに、昨年(2017年)11月から続々と日本からの車両の搬入が進められており、今年3月末から一部区間で試運転も始まっている。