マカオの文化財が落書き被害…大航海時代の詩人カモンエス像の台座部分

大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオ。東西文化が見事に融合したエキゾチックな町並みが残るマカオ半島中心部の旧市街(歴史市街地区)にはユネスコ世界文化遺産リストに登録された30の建築物と広場のほか、高い文化・芸術的価値を有する文化財建築物も多数存在する。

マカオ政府文化局(ICM)は4月17日、職員の定例巡回中に旧市街地にあるカモンエス公園内にあるルイス・デ・カモンエス像の台座後方部分に落書きされているのを発見し、警察に通報したと発表。

当該建築物は文化遺産保護法で建築芸術価値を有するものと評価されており、法律の規定により、落書き等の毀損行為については刑事責任が問われる。同局では、違法な落書きのような悪質な行為に対して厳しく責任を追及すると同時に、速やかに修復に着手し、原状回復を行う意向を示した。

カモンエス広場にあるルイス・デ・カモンエス像(写真:ICM)

カモンエス広場にあるルイス・デ・カモンエス像(写真:ICM)

ルイス・デ・カモンエスは大航海時代のポルトガルの海外進出と栄光を描いた叙事詩「ウズ・ルジアダス」で知られる16世紀のポルトガル詩人で、マカオにも滞在した。

現在、カモンエス公園は一般公開され、市民や観光客の憩いの場としてにぎわっているが、かつてポルトガルの豪商マヌエル・ペレイラの邸宅があった場所で、東インド会社の拠点として貸し出されたこともある。公園出入口前の広場(カモンエス広場)と隣接する邸宅及び庭園(カーザ庭園)がユネスコ世界文化遺産リストに登録されている。

ルイス・デ・カモンエス像台座後方部分の落書き被害の様子(写真:ICM)

ルイス・デ・カモンエス像台座後方部分の落書き被害の様子(写真:ICM)

関連記事

最近の記事

  1.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  2.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  3.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  4.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  5.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun