マカオの文化財が落書き被害…大航海時代の詩人カモンエス像の台座部分
- 2018/4/18 9:55
- 社会・政治
大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオ。東西文化が見事に融合したエキゾチックな町並みが残るマカオ半島中心部の旧市街(歴史市街地区)にはユネスコ世界文化遺産リストに登録された30の建築物と広場のほか、高い文化・芸術的価値を有する文化財建築物も多数存在する。
マカオ政府文化局(ICM)は4月17日、職員の定例巡回中に旧市街地にあるカモンエス公園内にあるルイス・デ・カモンエス像の台座後方部分に落書きされているのを発見し、警察に通報したと発表。
当該建築物は文化遺産保護法で建築芸術価値を有するものと評価されており、法律の規定により、落書き等の毀損行為については刑事責任が問われる。同局では、違法な落書きのような悪質な行為に対して厳しく責任を追及すると同時に、速やかに修復に着手し、原状回復を行う意向を示した。
ルイス・デ・カモンエスは大航海時代のポルトガルの海外進出と栄光を描いた叙事詩「ウズ・ルジアダス」で知られる16世紀のポルトガル詩人で、マカオにも滞在した。
現在、カモンエス公園は一般公開され、市民や観光客の憩いの場としてにぎわっているが、かつてポルトガルの豪商マヌエル・ペレイラの邸宅があった場所で、東インド会社の拠点として貸し出されたこともある。公園出入口前の広場(カモンエス広場)と隣接する邸宅及び庭園(カーザ庭園)がユネスコ世界文化遺産リストに登録されている。