マカオ新交通システムの日本製列車10両が車両基地へ…第2次搬入分
- 2018/5/24 18:51
- 産業・経済
マカオ政府運輸インフラオフィス(GIT)は5月24日、同日からマカオ新交通システム(マカオLRT)第1プロジェクトのうち、2019年に先行開業を予定しているタイパ線の営業用車両10両の車両基地への搬入作業をスタートしたと発表した。
今回の搬入は第2次分で、マカオ国際空港に近いコタイ地区にこのほど主体工事が完成したばかりの車両基地への初搬入となった。なお、昨年(2017年)11月から始まった第1次搬入分は海洋駅及び軌道上に搬入され、一部区間で試運転を開始している。これまでに搬入済みの車両は30両とのこと。
マカオ初となる軌道系大量輸送機関として大きな期待がかかるマカオLRT第1期プロジェクトはマカオ半島北部の關閘から外港フェリーターミナル、新口岸、南灣湖を経由して媽閣に至るマカオ半島線、媽閣から西灣大橋を経てタイパ島に入り、大型IR(統合型リゾート)が建ち並ぶコタイ地区を通ってマカオ国際空港、タイパフェリーターミナルに至るタイパ線の2線、21駅、21キロメートルで構成される。
このうち、タイパ線(9.3キロ、11駅)が2012年末に先行着工済み。マカオ半島線についてはルート調整が難航するなど、現在まで本格着工に至っていない状況だ。そもそも、2011年3月時点では2015年4月開業を予定していたが、これまで複数回にわたって延期が繰り返されてきた。現時点でタイパ線については2019年開業予定とアナウンスされている。今年4月にはタイパ線の運営及びメンテナンス業務について、香港の鉄道事業者MTRと委託契約締結が発表されるなど、開業に向けた準備も着々と進んでいる。
マカオLRT第1期プロジェクトは、国際入札を経て日本の三菱重工と伊藤忠商事の共同体が駅舎と土木工事を除くLRTシステム一式を46億8800万パタカ(約636億円)で受注しており、マカオの公共工事として日本企業が獲得した最大規模の案件としても注目されている。東京の「ゆりかもめ」と同タイプ(クリスタルムーバー型)の広島県三原市の三菱重工三原製作所で製造された日本製列車がマカオの街を走る予定。