マカオ、カジノフロア内の違反喫煙が対前年倍増…1〜6月累計
- 2018/7/4 21:30
- 社会・政治
世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでは屋内公共エリア及び公園などの大半を禁煙とする「新禁煙法(喫煙予防及びコントロール法)」が2012年元旦から施行され、市内ではマカオ政府衛生局(SSM)の法執行官(禁煙Gメン)が昼夜を問わず巡回取り締まりを行っている。
今年(2018年)元日から改正法が施行となり、マカオ国際空港とカジノに設置された喫煙所を除く屋内パブリックエリアを全面禁煙としたほか、屋外に関してもバス停・タクシー乗り場の周囲10メートルを新たに禁煙ゾーンに設定。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、新聞スタンド等の店頭におけるたばこ製品の公開陳列が禁止となり、禁煙ゾーンにおける違反喫煙に対する罰金が従来の2.5倍に相当する1500パタカ(日本円換算:約2万円)になるなど、各種罰金が大幅に引き上げられた。
SSMが7月4日に発出したプレスリリースによれば、改正新禁煙法が施行された今年元旦から6月末日までの禁煙Gメンによる巡回場所は延べ17万9711箇所(1日平均延べ993箇所)に上ったとのこと。
違反件数は2678件で、内訳は禁煙ゾーンでの違法喫煙行為が2668件、基準を満たさないパッケージの商品が6件、客に商品を見えないよう陳列していなかった事案が4件。違法喫煙行為が最も多かったのがカジノで、全体の29.2%にあたる781件、新たに禁煙ゾーンに設定されたバス停の周囲10メートルでの違反件数は10.0%にあたる267件だった。
違法喫煙行為のうち、男性が全体の93.0%を占める2481人、海外(中国本土・香港・台湾含む)からの旅客が62.1%の1657人。取り締まりにあたって警察の協力を必要とした事案が77件あった。罰金の納付率は81.8%。
マカオのカジノ施設は、2014年10月6日からハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙、平場にあたるマスゲーミングフロアが全面禁煙となった。マスゲーミングフロアには喫煙ルームが設置されている。
カジノフロア内については、SSMとカジノ監理当局にあたるDICJが合同で取り締まりを行っている。今年元旦から6月末日までの2部局による合同巡回場所は前年の同時期から39.7%増となる延べ436箇所、違法喫煙行為は同131.1%増の781件。違反者は男性が全体の94.1%を占める735人、海外からの旅客が88.3%の690人。
マカオ政府はVIPルームについても、2019年元旦からマスゲーミングフロア同様の喫煙ルームを設置するかたちでの禁煙化を実施する予定。VIPルームに喫煙ルームを設置するには、当局が定める基準をクリアし、検査をパスする必要がある。設置申請の受付は今年9月28日までとなっている。マカオに47あるカジノ施設のうち、6月末時点では11施設から68箇所分の申請が出されており、試験をパスしたのは1箇所のみとのこと。
マカオでは、増税によるたばこ製品の値上げや免税持ち込み範囲の縮小などの施策も相次いで講じられおり、愛煙家を取り巻く環境は厳しさを増している。