新春の高級品販売3割増―本土景気回復波及
- 2013/2/15 7:25
- 産業・経済
昨年(2012年)、中国本土経済の停滞によりマカオを訪れる高所得者層が減少し、下半期の高級品販売が不振だった。ブランド品小売店グループ責任者によると、今回の春節長期連休期間中、予想を超える中国本土からの観光客が来店しているといい、消費も積極的で本土の景気回復による波及効果を実感しているそうだ。
15日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。同氏によると、春節3日目から5日目までの売上は昨年同時期と比較して3割増、購買単価の高い顧客数も増えていることから、今年のマーケットは良好との見方を示す。
春節商戦が本格化したここ数日、多くの中国本土からの買い物客が香港、マカオを訪れているという。香港メディアの報道によると、ブランド店が建ち並ぶことで知られるカントンロード(廣東道)は多くの人出で賑わっており、人気ブランド店では入店待ちをするための50人超の行列が見受けられるという。ただし、現時点ではまだ10万香港ドルをまとめ買いするVIP客は現れておらず、高価なものでは数万ドルのバッグ、安価なものでは数十ドル程度の口紅まで、万遍なく売れている状況という。
マカオの各観光名所も黒山の人だかりとなる賑わいだ。土産物や日用雑貨だけではなく、高級品市場にも顕著な売上増が見られる。カジノリゾート内のショッピングモール、ワンセントラルなどは人の流れが絶えず、人気欧米ブランド店前では行列もでき、バッグや財布などの「戦利品」を買い求める旅客の姿が目立つ。
ワンセントラルのブランド店関係者によると、高所得者層は春節期間に海外旅行に出かけることも多く、ピークを避けてマカオへ来ることを好む傾向もあることから、春節7日目以降に続々とマカオを訪れるのではないかとする。今回の春節では3日目から客足が伸び、およそ中国本土からの旅客が8割を占めた。1~2万パタカ程度の腕時計が最もよく売れ、10万パタカ以上の買い物をした顧客は1割程度だったとのこと。この店でも売り上げは前年同期比3割程度増えたといい、中国本土経済の復活による消費ムードの回復に手ごたえを感じているという。