2017年マカオのホテル業界売上高15%増の約3400億円…利益率は11%に=客室供給数と宿泊者数増で
- 2018/9/19 13:15
- 産業・経済
近年、マカオでは大型カジノIR(統合型リゾート)のオープンラッシュが続いており、ホテル客室供給数が増加の一途となっているほか、かつて日帰りが主だったインバウンド旅客についても、宿泊を伴う旅客数の増加傾向が続き、過半数を上回っるようになった。
マカオ政府統計調査局は9月18日、昨年(2017年)のホテル業界調査結果を公表。同年のマカオの宿泊施設数は前年から4軒増の113軒(ホテル79件、ペンサオン=簡易宿泊施設34軒)、従業員数は2.9%増の5万1074人、売上高は14.7%増の325.9億マカオパタカ(日本円換算:約4529億円)だった。
ホテル等級別でみると、5つ星ホテルの売上は11.7%増の244.8億マカオパタカ(約3402億円)で、内訳は客室宿泊料が10.3%増の108.6億マカオパタカ(約1509億円)、ベニュー貸出料が15.2%増の64.5億マカオパタカ(約896億円)、料飲サービス売上が10.6%増の52.7億マカオパタカ(約732億円)。4つ星ホテルの売上は2.2%増の42.1億マカオパタカ(約585億円)で、このうち客室宿泊料が7.0%増の22.4億マカオパタカ(約311億円)、3つ星ホテルの売上は64.8%増の38.6億マカオパタカ(約536億円)で、このうち客室宿泊料は82.5%の大幅増だった。また、昨年8月23日にマカオへ襲来し、大きな被害をもたらした台風13号(国際名:ハト)の影響により、利息及び保険賠償は前年の6.3倍にあたる1.8億マカオパタカ(約25億円)に上った。
コストについては、8.8%増の289.8億マカオパタカ(約4027億円)で、内訳は人件費が9.1%増の130.2億マカオパタカ(約1809億円)、営業費用が8.5%増の127.7億マカオパタカ(約1775億円)、購買及びコミッション支出が8.9%増の31.9億マカオパタカ(約443億円)。ホテル等級別でみると、5つ星ホテルのコストは9.8%増の223.4億マカオパタカ(約3105億円)で、内訳は人件費が10.2%増の103.2億マカオパタカ(約1434億円)、営業費用が9.8%増の94.9億マカオパタカ(約1319億円)。4つ星ホテルのコストは2.7%減の37.2億マカオパタカ(約517億円)で、このうち営業費用が2.4%減の20.2億マカオパタカ(約281億円)、3つ星及び2つ星ホテルのコストは18.6%増の28.8億マカオパタカ(約400億円)で、このうち人件費が14.5%増の13.5億マカオパタカ(約188億円)、営業費用が19.3%増の12.3億マカオパタカ(約171億円)だった。このほか、減価償却、利息等の営業外費用は15.1%増の128.2億マカオパタカ(約1782億円)に上った。
業界の経済貢献を示す付加価値総額は17.3%増の165.9億マカオパタカ(約2306億円)、従業員1人あたり平均は14.0%増の32.5万マカオパタカ(約452万円)。業界の利益は62.1%増の35.7億マカオパタカ(約496億円)、利益率は3.2ポイント上昇の11.0%に。一方、複数の大型ホテルが2016年に落成したことを受け、2017年の業界の総固定資本形成は76.4%の大幅減となる86.3億マカオパタカ(約1200億円)にとどまった。
マカオ政府統計調査局では、対前年で2桁の増収、増益となった要因について、客室供給数とホテル宿泊者数の増を挙げている。