マカオカジノ(ゲーミング)産業発展史

はじめに

マカオの歴史といえば、世界遺産の紹介と絡めてポルトガル統治時代を中心にした東西交流史を中心に語られることが多い。現在、マカオは世界中から年間約3000万人もの観光客を集めるアジアでも屈指の人気観光都市となっているが、世界遺産の数々はもちろんのこと、カジノリゾート都市であるという点も大きな魅力になっているはずだ。今やラスベガスを抜き世界最大のカジノ都市となったマカオ。しかし、ここに至るまでのカジノ発展史について、これまであまり語られることのなかったのではないだろうか。

約3000室の客室を持つカジノ付き大型IR(統合型)リゾート施設、ヴェネチアンマカオ(イメージ)=マカオ・コタイ地区—本紙撮影
約3000室の客室を持つカジノ付き大型IR(統合型)リゾート施設、ヴェネチアンマカオ(イメージ)=マカオ・コタイ地区—本紙撮影

「東洋のモンテカルロ」や「アジアのラスベガス」と称されるマカオのカジノ(ゲーミング)産業は300年を超える歴史を持ち、現在のマカオの最も重要な経済的支柱といえる。2009年のマカオ特別行政区の歳入に占めるカジノ税の割合は7割を超える。近年、マカオのカジノ総売上はラスベガスを抜き、世界最大のカジノ都市となった。今日のようなマカオのカジノ産業の成功の裏には、中国中央政府やマカオ特別行政区による政策的サポート、企業家による積極的な投資、そして中国人によるカジノ嗜好があるといえる。早速、時系列に沿って、マカオのカジノ産業の発展の歴史を紹介していく。

ホテルリスボア(手前)とグランドリスボア(奥)―本紙撮影(2008年1月)
ホテルリスボア(手前)とグランドリスボア(奥)―本紙撮影(2008年1月)
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