香港と珠海・マカオ結ぶ「港珠澳大橋」開通…香港〜マカオ間がバスで約40分=世界最長約55キロの跨海架橋プロジェクト
- 2018/10/24 21:32
- 香港・大湾区
中国が国家プロジェクトとして推進してきた香港と珠海(広東省)、マカオの三地をつなぐ「港珠澳大橋(ホンコン・ジュハイ・マカオ・ブリッジ)」が10月24日午前9時に正式開通した。
港珠澳大橋は海底トンネルと複数の海上橋などで構成され、接続道路を含む総延長は世界最長の55キロに上る。2009年12月に着工し、開通までおよそ9年の月日を要した。設計寿命は120年。イメージとしては日本の東京湾アクアラインに近く、港珠澳大橋にも海底トンネルと海上橋の境になる人工島に「海ほたる」のような施設が設けられる。
港珠澳大橋は自動車専用道路で、最高速度は橋梁部が時速100キロ、トンネル内が時速80キロの設定。主要な公共交通手段としてマカオと香港の各イミグレーション施設間を約40分で結ぶシャトルバスが挙げられる。24時間運行で、運行本数は1日あたり200本超を計画。運行頻度はピークアワーは5分以内に1本、ノンピークアワーは10〜15分に1本、午前0時から午前6時の深夜時間帯は15〜30分に1本程度の見込み。片道運賃(大人)は午前6時から午後12時までが65マカオパタカ(日本円換算:約906円)、午前0時から午前6時までが70マカオパタカ(約975円)。
マカオ市街地と港珠澳大橋のマカオ側イミグレーション施設との間には路線バスの2つの新路線が設定されるほか、カジノ・リゾートホテルのシャトルバスやタクシーも乗り入れる。香港市街地と港珠澳大橋の香港側イミグレーション施設との間にも路線バス、ミニバス、タクシーが乗り入れるとした。港珠澳大橋を経由して香港市街地とマカオ市街地、広東省の珠江西岸各都市の間を結ぶ長距離バス路線も複数ルート運行されるほか、クロスボーダータクシーもお目見えする。
橋の東の出入口は香港国際空港に近い香港・ランタオ島沖の人工島、西側の出入口はマカオ半島の北東沖の珠澳人工島で、島の北半分が珠海市、南半分がマカオ特別行政区の管理区域となり、イミグレーションビルは両方に跨って建つ。よって、マカオと珠海の間は徒歩で往来できる。マカオと香港の間の出入りは即24時間対応するが、マカオと珠海の間の徒歩での往来は開通後しばらくの間は午前8時から午後10時までに限定するとのこと。
マカオ治安警察局の発表によれば、開通初日の午後7時までのマカオ側イミグレーション出入境者数は延べ1万2243人だったとのこと。記者が午後5時頃にマカオから香港へ向かった際、シャトルバスの乗車券売場、通関、バス乗り場とも待ち時間ゼロでスムーズに利用することができた。
なお、正式開通に先立ち、前日にあたる23日に珠海側イミグレーション施設で開通式典が開催され、中国の習近平国家主席、香港及びマカオの両特別行政区の行政長官ら要人が出席。式典終了後、施設を視察した。